東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『娘と出歩く一日』

土曜。1日休みだった。娘から都営の都電でやっている宝探しゲームみたいなものをやりたいと言われ、それをしにでかける。よく山手線などでやっているスタンプラリーみたいなものの、ちょっとしたクイズがあるようなもの。

 

 

正直なところ、そういうスタンプラリー的なものはあまり興味が無く、江戸東京建物園とかスーパー銭湯とかに行ってのんびりしたい気持ちがあったものの。で、まぁ、そのことも含めて、朝、少しばかり嫁と口論にもなりつつ。

 

 

ひとまず、娘とでかける。何度も都電を乗り降りするので、1日乗車券を購入。どこで買うのかわからなかったけど、車内で買えた。事前にもらっていた用紙に書かれた問題を解き、指定された駅へ行き、目的の場所にあるキーワードを見つける。王子駅の目的地が「頂から見下ろす」場所という謎掛けで、それが飛鳥山公園なのかと思ったけど違っており、わからずにいろいろ調べたら「北とぴあ」だった。その名称の建物があることは知っていたけど、その建物の上の方が展望室になっているとは知らなかった。上ると見晴らしがよかった。そういう知らない場所へ行く機会というのはなかったので面白い。

 

 

それから舎人ライナーも初めて乗る。舎人ライナーはモノレールのように、町中を走る電車で、荒川手前の台東区内では、マンションや建物の間をすり抜けるような面白さがある。で、後から作った電車だけに建物スレスレを走るので、マンションのベランダなどがわりとはっきり見えて、これは暮らしている人からすると居心地が悪いだろうなと思う。荒川が架かっている扇大橋を越えるところの眺めが良い。そこから足立区に入ると、途端に視界が開けてくる。かつて、この付近に住んでいた友人の家を借りて、自主映画を作ったことがあった。扇大橋の上で撮影もしたけど、気持ちよかった。見晴らしがいい。首都高が川沿いを走っているけど、橋の上から眺めると、なんとも長閑に見えた。舎人ライナーは、無人で運転する電車で、先頭車両に乗ると運転席がないので、見晴らしが抜群。2人揃って窓からの眺めを楽しんだ。帰り、舎人方面から扇大橋を渡るころ、ちょうど日が暮れていく時間で夕焼けが綺麗だった。

 

 

なんやかんやと日暮れまで、娘と歩き回り、アイスを食べたり、川で笹舟レースで遊んだりとスタンプラリー以外のこともする。個人的には、都電の「熊野駅前」の商店街が思いのほか賑やかだったことや、その商店街近くで、送電線の終わりの場所を見つけることができたことが楽しかった。結局、謎の一つが解けず、そろそろ帰ろうということに。帰りの電車では娘がうとうととしており、あくびをたくさんしていた。今日はあくびを「111回した」と娘が言った。「すごく疲れたよ」と言っていたが本当に数えていたのか。

 

 

夜。EテレETV特集原発事故 命を脅かした心の傷』を観る。8年経った今も避難生活を送る人が多数いる福島。直接の地震被害とは別に、間接的な震災を原因とした主に心因的な理由やストレス、体調不良などで命を落としてしまう震災関連死。地震を受けた恐怖などが思い出されるフラッシュバックなどがその原因なのかと思ったが、そればかりではなく、先行きのみえない将来に不安を感じるというフラッシュフォワードというものも大きな原因の一つであり、それに襲われることで苦しむ人が今も多数いるという。番組の最後。福島で開業する精神科医さんのもとを訪れるおばあさんがいろいろと実体験を話しているうちに、涙を流したこと場面を流す。震災から泣いたことがなかったけど、初めて泣いたと語る。精神科医さんは語る。生きて行くことへの不安や、泣いても解決しない、泣いてはいけないという抑圧がその人の中にあったのではないか。泣いても良い、むしろ泣くことで前向きになることもある。もうすぐ3/11が近づくからだろうが、こういう番組をきちんと作って流す姿勢はとても立派なことだと思う。

 

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