東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『晴れた日曜』

この日も普通の日曜でゆっくり出来たので、また朝寝坊。その後、少し掃除をしたりいろいろ。昼ご飯をのんびりと食べた後、BSで放送していた『フリーソロ』という命綱を付けずにクライミングをする男性を追ったドキュメンタリーを観る。とてもじゃないが真似できないそういった死と隣り合わせの行為。ただ、闇雲に命を投げ出しているわけではなく、挑戦するまでには繰り返し実地訓練を行う。淡々と「挑戦をしなければ人生ではない」ということを言葉にする。最後に未知なる挑戦となるとても高い岩山へ、命綱無しで挑戦をするのだけど、観ているだけで足裏がソワソワしてくる。

その後、夕方に少しだけ外へ出かける。雑司ヶ谷霊園の中のベンチに座り、一息つきながら、いとうせいこうさんの『福島モノローグ』を読む。一篇ずつゆっくりと。大切に読みたいと思える本。仕事のこと、一つ。うまくはいかない。ちょっとしたタイミングの違いなのだけど。そういうことにまた、悩んでしまう。空を見ると風が吹いて心地いい。木々の葉が揺れている。Tシャツ一枚では少し肌寒い。なんでも5月にしては強めの寒波が来ているのだという。ぼんやりと空を見る。

家に帰り、夜ご飯を何にするかという話になり、ピザを頼もうということになる。ピザハットで注文し、それを僕が取りに行くことに。ピックアップすれば半額なのだし、それは行く。で、指定の時間にピザ屋へ自転車で向かう、が、想定していた場所にピザ屋が無い。あれ?と思ってネットで調べると全然違う住所だった。予想していたよりもはるかに遠い場所。慌てて自転車を漕ぐ。ようやくピザを受け取り、帰路へ。想像だにしない強い風が吹いて自転車が辛い。横を手慣れたウーバーイーツの配達の方が颯爽と通り過ぎていく。負けじと漕ぐがまったくかなわない。どんどん離される。家に帰ってピザを食べる。あっという間に無くなる。

ゆっくりした夜だったので映画を観る。橋口亮輔監督『渚のシンドバッド』。先日観た映画『櫻の園』の俳優たちとの身体性の違いを考える。どちらも若い俳優たちが出演するが、演じ方、立ち方に違いを感じる。1990年製作の『櫻の園』。一方の『渚のシンドバッド』は1995年。発表年と撮影時は少しずれているかもしれないけれど、俳優たちの身体性というか、発話の仕方というか演じる方向性が違う。勝手な憶測だけど、橋口亮輔監督が、ある意味で、演じることから遠ざけた立ち方をさせたような気がする。

そんなこんなでゆっくりできた日曜。