東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『病院に付き添う』

朝、少し暑くて早く目が覚める。母はもう起きていた。今日が以前に予約していた病院の検査日であることを母から言われる。それに合わせて来たのだと思ったといわれたけれど、まったくの偶然だった。とはいえ、これもタイミング。それに同行することにする。

母が携帯のメールが壊れたという。話を聞いても要領を得ない。受信の通知が来ないというのと、メールが打てないという。それでなんどかテストメールを送ると、受信もできるし、送信もできる。「問題無い」と母に言ってもどうも腑に落ちない様子。

と、電話が鳴る。僕が出ると母の妹、僕には叔母にあたる方から電話だった。母の様子を気にしてくれている。それで母に代わり、母はその叔母といろいろ話しているが、途中で「携帯が壊れてメールができないのよ」と母が言う。なぜ、そんな適当なことを言うのだろう。そもそも何度もテストしても壊れてなかった。それで電話を切った後、「なぜそんなことを言うの」と語気強く言ってしまった。

この日も、前日もそうだが、母は自分の体調が悪いことを仕方がないと決めつけている節がある。もちろん、そのこと自体を僕がどうのこうの言えない。ただ、前向きに、なんとか良くしようという気概が感じられない。何を言っても「熱があるから」や「喉が痛いから」と体調のことを言い分けに逃げようとしている。そこへ来て、携帯のことまで適当なことを言う。そういうことを叔母に言えば、僕たち息子が来ているのに、携帯もちゃんとしてあげないのかと思われる。いや、仮に思われてもそれはそれでいいのだが、そんなことより、そもそも何度も目の前で確認をして、問題無いとわかったはずなのに、でたらめなことを言うことに腹が立った。なんでもかんでも、自分の中で、こうだ、と決めたら、融通がきかなくなる。「せめて、家族が言っていることは信頼してよ」と言うと、「そんなに大きな声で言わないで」という。

なんとも、どのように飲み込めばいいのだろう。歯がゆい。

「お父さんがいなくなって、もう息子たちしかいないのに、息子たちに見捨てられたらわたしなんて」

そんなことを言いながら、泣きそうな顔をする。

ひとまず、病院へ行く時間になり、さすがに暑いのでタクシーを手配して、病院へ。空は入道雲がもこもことあり、夏の空。学生たちが暑い中、駅に向かって歩いている。部活帰りだろうか。

病院へ行き、検査。それから診察。容態に大きな異常はない、とのこと。次の検査は2か月後。こういったことが定期的に続く。他にも別の病院で検査もしているし、日々、家の近くの内科にも通っている。

帰りは少し歩いて、バスで帰るという。食欲がわかないので、夜ご飯は食べないかもしれないという。おいなりさんとか、コンビニで買って食べればいいのに、といっても、どうも気乗りがしない様子。なんとかならないかなぁと悩みつつも、仕事へ行くため、電車に乗る。

電車に揺られてぼんやり考えているといつの間にか眠っていた。都内に着き、仕事の用事で中目黒へ。中目黒にあるおにやんまという美味しい立ち食いうどんやへ。中目黒といえば、おにやんま。ショウガをたくさん入れて食べる。

打合せをして、一息。少し、座ることができるベンチに腰を下ろす。陽が暮れて、少しばかり気温が下がる。風が吹くとホッとする。帰宅して筋トレ。少し遅めの夕食を食べて、しばしぼんやり。