東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『曜日感覚喪失』

5月1日。雨。少し余裕があった日のはずが、早朝から仕事の電話。トラブル。切り替えて、出かける準備をして、外へ。雨は止みそうもない。

 

渋谷でレオス・カラックスの「アネット」を観る。ミュージカル仕立て。映画の始まりを、ナレーションで、「映画が始まる」と語り、スタッフたちと出演者が歌い始まる。アダム・ドライバーは歌い終わりにウィッグを渡されてそれをかぶり役に入る。演じる、エンドロールでもおそらくスタッフたちが歌いながら野を歩いていく姿で終わる。そういったメタ的な作りは、「ホーリーモータース」にもあった気がするけれど、映画であることに対する意識的な部分ということなのだろうか。それにしても主人公はいろいろとダメな男だ。心入れ替えようとしても、娘(といってもどうも血はつながってないかもしれないが)からも見放されて、最終的にはカメラ(どうやら観客に見られていることを知っていた)に向かって「見るな」と発して物語は閉じるが、その救いの無さたるや。捕まったあと、髪が短くなり、口髭を生やした主人公の姿は、若干、レオス・カラックス監督に似ているような気がしたけれど、気のせいなのか。「ホーリーモータース」もそうだけど、演じることへの息苦しさを、主人公に投影させるところが「アネット」にも見られるが、それでも映画を作り、映画によって発信する。

 

劇場をでて、携帯をつけると、LINEいくつか。また別のトラブル。それだめ普通に働いている日には滅多になかった類のトラブルが、休みの日に限って2つも。図ったかのようなタイミング。劇場外のカフェで対処。雨は引き続き、強く降り、テラス席に入ったことを後悔する。べらぼうに寒い。ようやく仕事が落ち着いて、あまりに寒くて、辛口のラーメンを食べる。勢いよく食べ過ぎて、お腹の調子を悪くする。

 

まだ、仕事をしなければならかったので、渋谷の公園通りを上がったところのスターバックスへ。失礼なことを言うが、このスタバ、夕方以降は人がほとんどおらず、過ごしやすい。案の上、この日も人は少ない。雨だということもあるかもしれない。お腹の調子が悪く、ずっと寒かったので、なんとなく落ち着かない。仕事を終えて、帰宅。少し筋トレをしてみるも、身体は重い。

 

2日。ゴールデンウィークの合間の平日。当然仕事。事務所に行き、慌ただしく事務作業をする。それから現場へ移動。横浜方面。少し海が見れるとホッとする。昨日と違って晴れ間が見える。

 

現場の仕事をしつつ、別のところでのトラブルに対応。とはいえ、仕事をしている時は、どんとこい。そう考えると、やはりあまり休みがあるとどうもいけない。休みの日に来る仕事のトラブルは2倍ぐらいの感じでテンションが下がる。ふと、外を見ると、晴れているように見えたけど、雨が降っていた。他にも地域によってゲリラ豪雨があった様子。

 

夜。都内に戻り、また仕事。結果、終電ギリギリに。23時過ぎのビジネス街はさすがに静か。普段使っている電車はすでに終電がなかったので山手線で帰宅。雨上がり、夜は肌寒い。

 

3日。快晴。ここぞとばかりに布団を干す。晴れて大変心地いい。兄から連絡。母の面会(といってもコロナのためリモートだけれども)に行ってくれたとのこと。少し元気になっているとのこと。今の施設のことも気にいってくれているとのことで、それも良かった。いろいろありすぎて、まだ父の納骨をきちんとできてなかった。母と一緒に納骨に行ければと思い、タイミングをはかっていたが、さすがに難しいだろうということになり、兄と相談して行くこと。どこかでお墓参りにいくスケジュールを作る予定。

 

僕自身もバタバタしていて、母の面会になかなか行けてない。以前、兄がまだ単身赴任中、僕しか面倒が見れない時は、週1でリハビリ病院などへ行っていたのは、今思うと、よくできていたなと思う。言葉を選ばなければそれは義務感とかだろう。少しだけ弁明させてもらえるなら使命感か。

 

ソン・アラムさんの「大邱の夜、ソウルの夜」という漫画を読んで、なんとなくその読後感を引きづっていたからだと思う。基本軸は、2人の女性が韓国の現代社会で生きていく姿を描いたのだけど、病に倒れた母や、認知症が進行する祖母を介護する場面もあり、何やらちょっとその、生きづらさに少し感じるものがあった。物語はささやかな希望で終わるけれど、現代社会はどこか空気が薄いような、息苦しさがあり、それはずっと続いていく。それでも、日々を過ごしていく、しかない、ことを、できるだけ前向きに行きたいとは思いつつ。

 

で、今日も今日とて、トラブル発生。なぜ、少し落ち着いた日に限って、珍しいタイプのトラブルが発生するのだろうか。その対応に追われる。

 

気合をいれようと思い、油そば大盛を頼んだところ、多すぎて苦しむ始末。

 

22時過ぎ。ようやく落ち着いて、一息。休みが続くと曜日感覚が無くなる。