東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『店員はせっかちだった』

■年明け、仕事初日。思ったより朝起きるのは辛くない。朝の電車がいつもの平日より混んでないように感じたがどういうことなのか。


仕事で都内を車でまわる。池尻付近で3時間ほど時間が空いたのでブラブラとする。昼食にインドカレー屋へ。ここのインド人とおぼしき店員はやけにせっかちだった。ランチはカレーの前にサラダがついていた。テーブルにはサラダを食べるためらしきフォークとやがてくるカレーのためのスプーン。会社の同僚と2人、先に出てきたサラダを食べる。僕は先に食べ終えた。同僚は、カレーを待つ時間を計算し、ゆっくり食べていた。皿にはサラダが半分以上残っている。店員が僕の空になったサラダ皿とフォークを片付けにきた。

店員はついでに同僚のフォークも片付けた。
テーブルには半分以上残っているサラダの皿が。


それから目黒川をブラブラと歩く。平日の昼過ぎはのどか。ちと寒いけど、ブラブラと歩くのは楽しい。たまに洋服の店なども眺めつつ。桜の季節はこの道も花が咲いてきれい。


■ アレクサンダー・ロックウェル監督の『イン・ザ・スープ』をDVDで観る。自分の映画を作ることを夢見る青年が、突如現れた初老の男に翻弄される話。昨日の話と関連付ける必要はないのだろうけれど、狂気を抱えた老人に、翻弄される普通の男という配置が、面白さを作っている。

狂気は、そこに身を委ねると時になんとも言えない愉楽が伴う。悪いことをするときの胸の高鳴りのような。怒られると判っていて、あえて行為をなす。狂気がおよぼす刹那的なそれが時にやたらと美しいものに見えてくるときがある。その美しさは汚れて真っ黒な中に、ただ一点、光るもののよう。白黒のフィルムの中で、ボロアパートの汚れた部屋を舞う、枕から飛びだした白い羽毛や、灰色の空から降る白雪の中を、踊る女性の、その映像が切り取る美しさ。