東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

千鳥日記『稽古の日々』

■ 稽古の日々が続いている。昨日も一昨日もずっと稽古をしていた。ただ、昨日の午前中は違った。役者のMさんの家で芝居に使う映像の撮影をした。Mさんの家に向かうために三軒茶屋の駅から都電世田谷線に乗る。世田谷線は初めてだった。都電荒川線はよく利用するのだけれども、都電はのんびりと走っていくので、なんだか楽しい。駅もすごく小さい。住宅地をすり抜けていく感じで、それが好きだ。

■ で、Mさんの家で撮影。僕はカメラマンとして撮影に望んだのだけれど、あまりのくだらない内容についつい笑ってしまい、どうしてもカメラがぶれてしまった。出演した役者たちはあることをやりつづけなければならないのでとても大変なのだけれども、その様が申し訳ないが本当に面白い。笑いを堪えたり堪えられなかったりしながらなんとか撮影をする。とにかく撮影はそうやって2時間ほどで終了。その後、稽古場へ移動。

■ 昨日の日中は本当にポカポカ陽気で歩いていると汗ばんできた。春だ。で、稽古はまず初日までにやらなければならないことや、公演が始まってから必要になること(当日受付のお手伝いさんの確保とか)の打ち合わせ。そのあと、Oさんからある程度確定した構成の発表があり、舞台監督、照明、音響のスタッフさんがいるまえで、初めて通してみる。まぁまだ場面転換に関してはまったくできてないので、通しといっても本当に形だけだ。

■ とりあえず通しで1時間30分弱だった。このほかに映像が入ったり、場面転換に時間を要するとして、もう少し時間は長くなるだろうか。そうなるとちと長いのか。一応オムニバス形式なので、暗転が結構ある。暗転が多いと観客は集中力が途切れやすくなる。一話ごとに緊張感が途切れるし、暗転っていうのは場面転換のひとつの方法だけど、観客の意識も中断させてしまうものなので、使いようによっては意外と厄介だ。どうしたら観客の集中力が途切れないようにできるかを考えなくてはならないのだけれども、なにせ今回は構成や総合演出に関わってない。もちろん提案はできるからある程度は言っているけれども、最終的に決断するのはそのポジションにいる人なので。

■ 稽古後、舞台監督さんとの打ち合わせに参加するが、どうも僕がいても無意味な気がしてならない。演出を任されている台本に関しての打ち合わせなら、僕も意見できるが、全体的な部分では何も言えずじまい。いや、なんか言っていいのだろうけれども、どうも話し合いに水を差してしまうような感じで意見を言えない。打ち合わせが終わったら外は雨が降っていた。昼の陽気はなんだったのだろうと呆然とする。

■ で、その打ち合わせの時に、どうもひっかかることを言われたので、その件について、夜にそれを言った方にメールをする。そのことを黙認してしまっては、僕がその人の書いた短編の演出をやる意味がないとも思えたし、なにせ黙認して過ごしてしまうには公演まで時間が無さ過ぎる。揉めるなら今のうちしかない。きっと今日も少しそのことを話すだろう。それを考えると少し憂鬱になる。

■ 金曜日の夜に、稽古を少し早めにあがらせてもらって、新宿で友人で役者のSとOに会う。Oとはたまに会うのだけれども、Sは本当に久し振りだった。いろいろと話す。役者の友人たちを会うと大体芝居の話になるのだけれども、Sと話すときはそういう話とは違うことを話す。といっても大体くだらないことなのだけれども。今回はいつもより芝居の話も多かったが、やはりそれでもくだらない話が多かった。それもまた楽しい。あっという間に終電の時間になってしまった。本当にすぐ過ぎてしまった。今度はもう少しゆっくり会えればいいんだけれども。