東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『2月突入』

■ 日々は過ぎている。仕事とか個人的なことがいろいろあって思いのほか編集に集中出来ないまま2月に突入した。ついでに仕事の最中に左手の手首付近を捻挫した。何か重い荷物を持つとかなり痛く、今も腫れが引かない。症状だけをみるとかなりな捻挫ではなかろうかと思うのだけど、いつなんどきにやってしまったのかはっきりと覚えていない。不思議だ。昨年末に左足を捻り、ここにきて左手をやられるあたり、俺の左半身に何か良からぬことが起こっているのではないのか。

そんな左の駄目な俺なので、頼むからスーパーのレジ店員よ、レジ打ちながら隣の店員さんと遺産相続の話しをするのは止めて頂けないか。ソフトな話しなら存分に語れい、そんな重い話は、カレーパンをレジ通しながら聞かされても困る。


そういえば、今日、仕事の用事で麻布十番に行っていた。普段は麻布など滅多に行かない。雰囲気が違う街だなぁと思いながら歩いていると前方から見覚えのある顔が。カタカナの谷川さんだった。谷川さんも用事があってたまたま来ていたらしい。普段は行かない街で、意外な人と会うという偶然。あるのだな、そういうことは。


■ ここ数日のことを少々。この前の土曜日に、かげわたりの練習後ミーティングに参加した。自主映画の音楽をボーカルの家常さんとギターの鈴木くんがそれぞれいくつか作ってきてくれたので、それを聴かせてもらう。二人には、事前に書いた自主映画のプロットのようなものを渡していて、それを参考に曲を作ってもらっていた。それがあまりよくなかったみたいだ。先日、少し書き進んだ脚本を改めて渡したのだけど、プロットで受け取った作品のイメージと脚本を読んだ印象が違っていたらしい。もっときちんと情報を提示していかないと駄目だと反省。とはいってもですね、2人の作ってくれた曲は、まだデモとはいえ、とても素晴らしく、これがバンドの中で形になるとなるとどうなるのか楽しみでもあるのでして。かげわたりの活動の都合もあり、映画の音楽ばかりに時間を費やすこともできないので、ここ数日で、今まで撮影した素材を少しまとめて作品の全体像が判る様な映像資料を作ることにした。時間はあるようで無い。


■ 日曜は、映画の撮影の準備として茨城の波崎に行ってきた。波崎へ行くまでの道すがら、どこで撮影をするかを考えるため。いわゆるロケハン。都内は朝から雪だった。朝6時に起きて外に出て、呆然とした。雪がしんしんと降っている。もちろん天気予報でこの状況は事前に覚悟していたとはいえ。ド派手に降りやがったよ、こんちくしょう。この日のために手配したレンタカーはノーマルタイヤ。なにせここまで降るとは思わなかったから。ロケハンは、撮影のことも考えて、荒川沿い、首都高速の扇大橋入口からスタート。雪の影響で高速に乗れなかったらどうしようかとうろたえたけど、とりあえず無事に走り出した。


同行してくれたのは、撮影のために部屋をかしてくれたDさん。他にも幾人かに声をかけたのだけど、体調不良や仕事の都合で駄目だった。できることなら車の運転をお願いする人や、カメラアングルとかを見るために役者の代わりになってくれる人がいればと思ったのだけど、まぁ、雪だし雨だし、カメラもまわせないので、それはそれであきらめた。Dさんはなぜか映画『オペラ座の怪人』のサントラを持ってきた。なので、さっそくそのCDをかけたが、やはり案の定、ドライブに『オペラ座の怪人』は似合わなかった。


首都高を荒川沿いに進む。川の向こう側にビルが見える。海沿いまで進むと葛西臨海公園の観覧車やディズニーランドの建設中のホテルなどが見えてくる。いくつか撮影ポイントがある気がするも、どうやって撮影するかいろいろ考える。にしても雪そして雨。


首都高から東関東自動車道へ。酒々井PAで撮影ポイントを見つける。それから成田を越えて、佐原香取ICで高速を降りる。それから銚子まで下り、銚子大橋を越えて茨城へ向かう、そういうルート。このルートの中で、登場する男と女の旅の姿を描く。平たく言うとドライブに飽きていく姿を。次第に言葉が交わされなくなってから、それぞれにわき上がる心情、旅とは別のベクトルに向けられる、それは多分、二人の関係についてなのだけど、そのあたりのほぼ見えないだろうなんかしらの揺れをアレできたらなぁと思う。


銚子大橋を越えて、波崎地区に入る。雨と風は強かった。車を走らせる。ワイパーは慌ただしく動いて雨を散らす。

『通り過ぎていく』

車で知らない街を走ると、いつもそういう感情が僕の中にわいてくる。風車が見えてきた。風を受けて勢いよく回っている。以前、波崎に行った時は風車は止まっていた。風を受けて回る風車はとてつもなく大きく見えた。


雨で環境はひどいものだったけど、やはり来てよかった。撮影のイメージの輪郭が自分の中で少しずつはっきりしてきたような気がする。実は、この砂浜で、予想外の事態が起こり、Dさんと二人で途方に暮れたのだけど、それは恥ずかしいので書かない。


日が暮れてから都内へ。首都高から見える東京の夜景はとてもきれいだった。