東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『いよいよ寒くなる』

10/28、29、30日。仕事で再び山形県米沢市へ。今度は新幹線ではなく車にて。米沢周辺はすっかり紅葉しており、仕事とはいえ山間を進むときはなんとなく観光気分。諸々あって日が暮れた後や日が昇る前に外に出ていたのだけど、やはり冷え込みは半端無い。その代わりというわけではないけれど、空を見上げれば星がたくさん見える。都内とはずいぶん違う視界。
そういえば、山肌をウロウロする生き物を仕事中に目撃。鹿とも猪とも違う何かで、あれは何かと地元の人に尋ねたところ「カモシカだ(地元のイントネーションで)」とのこと。カモシカかぁ。いるのなぁ、野生で。やっぱり都内とは違うなぁ。いないもの、野生は。カモシカについてはかもしか君に詳しい。そしてカモシカ、かわいい。よくよく調べてみれば特別天然記念物なのですな、ニホンカモシカ
最終日の帰る直前に少々観光の機会を得たので、上杉神社へ。平日なのに驚くほどの観光客。そして土産物を販売する建物には、アレな名前がついている。

31日。朝、起きてぼんやり。それから池袋のパパとママであるT夫婦のところへ。滋賀の知人の店から取り寄せたというプリンと福島から送ってもらったという秋刀魚、さらにお手製の煮物をお裾分けしてもらう。ありがたやパパさんママさん。嫁松が仕事がらみで不在だったもので、猫のみぞれを連れていく。T夫婦は近所のマンションに住み込みながら管理人として働いているので、僕らはいつも管理人室に御邪魔する。3回ほどそこにみぞれを連れて行っているのだけど、まだその場所が怖いらしく、すぐに隅っこの方に隠れようとする。T夫婦からの連絡はTママさんの携帯メールからくるのだけど、Tママさんのメールは絵文字をふんだんに使用した賑やかな文面であり、絵文字を使えない僕は恐縮する。僕の地味な携帯メールの文面を見て幻滅しないかと不安になる。それほどにTママさんのメールは賑やかである。


午後に渋谷へ。シアターイメージフォーラムで上映されているイエジー・スコリモフスキ監督の『アンナと過ごした4日間』を観る。冒頭、黒い画面の中で足音のみが聞こえる映像から町を歩く主人公の画に。冒頭から個人的にはツボな音響。その他、煙草を吸う時の火の音とかも心地いい。アンナの部屋に主人公が忍び込むのだけど、この時も外を徘徊しているのだろう野良犬か鳥の音が低いレベルながらも聞こえている。アンナの部屋には熱帯の森林がデザインされているインテリア照明がある。スイッチを入れると、そのデザインされている森林や川が緑や青の色で光る。さらに熱帯のジャングルをイメージした環境音もその照明からうっすら流れる。確か3日目の夜だったと思うのだけど(2日目だったか?)、アンナの部屋に忍び込んだ際には、部屋に飾られているインテリア照明が点いたままになっており、熱帯に暮らす鳥の鳴き声のようなものと川の流れる音が聞こえる部屋の中は、なにやら不思議な浮遊感を感じさせる。4日目、それまでよりも野良犬などのガヤのレベルが低い(ような気がする)。それまでに比べるとやけに静かな空間に、突如ヘリコプターの爆音が響き渡る。行き過ぎてしまった哀しい愛の行為は本当に僅かな救いを残して突然閉じられる。


11月1日。夕方からお台場へ。アクアシティのクワイナでアボガドバーガーを食べる。相変わらずでかい。ちょっとパティがこげていて苦かった。『兵藤・小藪のおしゃべり1本勝負』の公開収録に行く。2本分の収録。少々の休憩を挟んだもののおよそ3時間ほど、2人でしゃべりっぱなし。それでも飽きさせないっていうのは話の内容と、そして話し方がうまいんだろうな。収録が終ったのは21時半過ぎ。雨が降っていてずいぶん寒い。


太宰治の『パンドラの匣』『正義の微笑』読了。太宰治さんの文章は、たまにふざけているのかと思うくらいのところがあって笑ってしまう。確信犯的なところがあっていろいろやっている人なんだろうな。祝日の今日は雲一つない快晴なのだけど、気温はずいぶんと低い。いよいよ寒い季節。