東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『suica vs soy sauce』

録画していたETV特集『死刑囚永山則夫 獄中28年間の対話』を見る。筆圧が力強く、文章によっては「!」というような記号も使われている永山則夫さんの手紙。出所することが出来たら私塾を開きたいと願った永山さんは、覚え易くなるようにアルファベットそれぞれに手や足、顔の絵を描いてキャラクターを作っていた。罪は罪であり、永山則夫さんは取り返しのつかないことをしてしまった。言葉は適切かどうか判らないけれど、そこに感じる暖かなもの。元妻である和美さんが、被害者の家族の方が永山則夫さんの手で大切な人を奪われた様に、自分も永山さんを奪われてしまった被害者なのだと、もちろんそれをはっきりと言える立場ではないので言葉を選んではいるのだけど、罪を背負ってしまった側の心情をどうにか言葉にしようとする姿が印象的だった。


26日(月)。今年の2月に、映像スタッフとして参加させてもらった芝居の作・演出を担当されたKさんと新宿で会う。その公演の後、Kさんとゆっくり話をする時間もなかったのでここらで会いましょうとなった次第。私的な印象だけど、Kさんの作る作品はどんどんと言葉を積み重ねていく作品だと思う。発せられる台詞と、その台詞の響き、リズムを大事にしている。なので、僕が撮った自主映画のDVDを観てくれた感想が「どうして登場人物があれほどしゃべらないのか」というのもKさんらしいものだと思えた。まぁ、Kさん以外の方からも「長い」「眠い」という意見をいただく作品なのだけど。さらにKさんから、自分の作りたい物を作品にするためには、ある種の『うまさ』も必要で、そこが9割あって、残り1割にやりたいことを注ぎ込むくらいでいいのではないかと言われた。僕はそういう技術が無いから独りよがりになってしまっているのだと思う。
他にもいろいろ話した。すごく楽しかったのだけど、ふと横を見るとなぜかテーブルの脇にあった醤油差しが倒れており、僕の定期入れが醤油に浸かっていた。さらに床も醤油まみれ。定期が醤油でいかれてしまうと私は慌てたのだけど、そこをKさんが「いや、suicaは思ってるよりもはるかに優れたものだから大丈夫」とすかさず言葉を挟んできた。その通りsuicaは今も無事に機能している。


職場の人に教えてもらったトイカメラデジタルハリネズミ。気が付くとそれが私の手の中にあった。一体どういうことなのか。手のひらサイズのデジカメながら粒子の粗い良い按配の写真が撮れる。おまけに動画も撮れる。aviファイルなのでパソコンに取り込めば動画もすぐにいろいろいじれる。素敵なモノある世の中よ。