東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『そして12月』

仕事や他の諸々でインターネットすらほとんど見てなかった日々。


いくつかのことをなんとなく列挙。


飴屋法水さんの芝居を観たいなと思って、当日券を買おうと発売の40分程前に劇場に行ったら驚く程の行列。「ここから後の方は、キャンセル待ちで、おそらくチケット購入は難しいと思われます」と示された行列に数十名の人。諦めて退散。家でハイバイの『お願い放課後』のDVDを観た、のは先々週の土曜日。


少し買い物に出かけただけでなんだかフラフラになり、家で河瀬直美さんの『杣人物語』をDVDで観た、のは翌日の日曜。


一度、編集を終らせた自主映画を思い立って再編集。潔く短くするを念頭にいれ、1時間50分強だった作品を1時間10分弱に。40分程削る。今まで、その作品に関わってくれた方や知人にしか見せてなかったその作品を、職場の上司の1人に見せる。それで、いくつかうれしい言葉をもらう。もちろん、良いところばかりではないけれど、やはりほめられるとうれしい。作品としても、ひとつきちんと完成させることが出来た気もした、日々。ずいぶんと時間を費やしてしまったけど。


その他にもバタバタとやらねばならぬことをやりつつ、仕事が途端に忙しくなってくる。それで映像で参加したKさんの芝居の人たちの集まりに参加出来なかった、先週の土曜日。


大学の頃にお世話になったK先生が学会出席のため東京に来た際に会った、先日の火曜日。K先生曰く「多分、今の大学はお前がいた頃の面影がまったくない」とのこと。冗談かと思ったら、僕が暮らしていた寮もよく行っていた『ポパイ』という店も無くなったという。ショックだったのは学生会館が立て替えられるということで、すでに工事が始まっており、古いそれが取り壊されているということ。学生時代に、その学生会館で芝居の公演をしていた。劇場施設ではない、その1Fの部屋に照明を吊り、窓に暗幕をはり、客席を作る。僕にとって建て込みというのは舞台を作ることと一緒に、学生会館を劇場に作り替えることだった。学生会館に芝居を観に来てくれた人たちを如何にして驚かすか。そのことばかりを考えて芝居を作っていた。今、その場所がもう無いというのはやはり寂しい。


先日の木曜と金曜はとりわけ仕事で忙しく、結局金曜は会社に泊まり込んで、土曜にその仕事の後始末。一区切りついたのは夕方で、家に帰って寝ようとも思ったけど、これから年末にかけてさらに忙しくなることが決まっており、ここを逃すと絶対に観れないだろうからと、渋谷へ『脳内ニューヨーク』を観に行った。劇場を出た頃はそうでもなかったのに、渋谷から電車に乗って、駅から家に向かって歩いている頃に泣きそうになった。取り戻そうにも取り戻せないものがたくさんある。失われた何かを、改めて形にしようとする行為は、単なる懐古だけではない。それは今の自分の立ち位置と大きく関わる問題。主人公が、日々の中で作品を上書きしていくのは、過去と対峙しつつ、現在進行形で『生きる』ことを見つめているから。映画の中でも唄われる『Little Person』のフレーズがずっと残っている。