東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『引っ越しをした』

引っ越しをした。仕事がバタバタしている中で大変だった。最初は業者に頼まずに自分たちでという話もしていたけれど、さすがに無理だと思い、初めて引っ越し業者にモロモロ頼む。想像していたよりはお金はかからなかったけれど、まぁ出費は出費。で、安くするために箱詰めは自分たちで。僕は自分の部屋とそれにまつわるものだけど箱詰めしただけだけど、嫁氏は娘のものや台所のものなども箱詰めしてもらったのでいろいろ大変だったと思う。


で、引っ越し当日。驚くべきは、業者の方々のスピーディーな仕事っぷり。サクサクと運ぶ。あれよあれよという間に箱が減っていく。気がつけば2tトラックがいっぱいになっていた。で、昼過ぎには2回に渡る往復が終わり、想像していたよりも素早く事が済む。金をかけただけのことはあった。まさか昼飯を挟むこともなく終わるとは思わなかった。とはいえ、箱から出して整理するという作業は当然のようにその後にあり、それは今に至るまでなかなか終わってない作業なのだけど。


引っ越し先は、前の家からもそれほど離れてはいない。雑司ヶ谷。個人的にはその近辺が好きで、それはまぁかれこれ6年住んでいるわけで愛着も湧くのだけど、そういうことだけではなく、環境として好きだなという思いがある。自分が住む利便性もあるけれど、娘を育てるということを考えるうえでも良いと思えた。


そのために、いわゆるローンというやつも組んだのだけど。これから道は長い。しかし自分たちの力だけではない。親にいろいろと面倒をみてもらった。そういう点では、僕らはまだまだ子供だ。面倒かけてばかりだなと思う。


それと、本当に偶然だけどかげわたりの家常さんもほぼ同時に引っ越しをした。で、引っ越し先は目と鼻の先。醤油を貸し借りできる近さだ。これは縁だと思う。で、家常さんの家は目下リフォームの最中。当然、業者の方に入ってもらっているのだけど、壁に漆喰を塗る作業は自分たちでやっている。2日ほどすでに手伝いをしているというかげわたりの宮嶋くんが、やけに手慣れた塗り方をしており、宮嶋くんに教えてもらった宮嶋流で、僕も少しだけど手伝いをした。漆喰を塗るのは楽しくもあり、難しくもある。まだいろいろやらなければならない作業を残しつつ、引っ越しをした家常さん。事務所までその家の中にある。


これから先、どうなるのか。いずれにしても、僕らの拠点は雑司ヶ谷になる。漠然とではありつつも面白いことになるような気がする。


11月30日は前の家の鍵の引き渡しの日。少し掃除。娘はこういう時、寂しいのかなと思ったが意外とあっけあらかんとしていた。僕や嫁の方が感傷的になっていたと思う。6年ほど住んだ家。よくいろんな人を連れて、みんなで飲んだ。楽しかった。生まれたばかりの娘が暮らした家。僕もかつて、自分が生まれてすぐの時に、父と母が暮らしていた団地に住んでいたらしいのだけど、その団地の記憶はない。3歳まで暮らした娘は、大きくなった時、この家のことを思い出すのだろうか。そして、猫のけだまと暮らし、失った家でもある。あの時の喪失感といったらなかったけど、その時に出会えたT夫妻との出会いは今も続いている。いろいろ想い出がある。ほぼ生活圏は変わらないけれど、住む場所が変わるということは、やはり決定的に何かが変わる。


新しい家は、坂の中腹にあって、2階の部屋の窓から外を見るととても見晴らしが良い。夕暮れ時はいつまでも外を眺めていたくなる。

30日は鍵の引き渡しを終えたあと、引っ越しをしていた家常さんたちと合流。友人たちも引っ越し作業を手伝っていて、みんなで打ち上げとなった。良い具合にお酒を飲んだ後、めずらしくカラオケへ。わいのわいの騒いでいたら、予想外のタイミングで少し仕事。それで僕だけ一足お先に帰らせてもらう。

夜。新しい家のまわりはずいぶん静かだ。住宅街の中ということもあるのだろうけれど。ひっそりとしている。それにはまだちょっと慣れない。