東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

千鳥日記『春一番』

■ 昨日はかなり春めいてていた。天気予報で今日は寒くなるといっていたので、覚悟していたのだけれども、なんのことはない。厚着をして出てきたことを後悔するくらいの暖かさだ。そういえば、一昨日東京駅周辺を歩いていたら、日当たりのいい街頭に植えてあった桜の花が咲いていた。驚いた。ふと気がつけば2月も終わりだ。もう春になる。

■ それはもう仕方が無いことなので、どうもこうもないんだけれども、かつて僕が遊園地再生事業団という劇団のオーディションを受けたとき、偶然同じ組になったKさんという方がいる。その方は見事にオーディションに受かり、本公演だった「トーキョー/不在/ハムレット」に役者として参加していた。僕はKさんと面識があるわけではないので、公演の手伝いをしていたとき、たまたますれ違ったりしたら、少し挨拶を交わすぐらいの関係なわけで、正直他人同士。そんな彼は次回出演する芝居(正確にはリーディング公演)で吹越満さんや片桐はいりさんと共演するらしい。すごいことになっている。名優とよばれる方と芝居をすることは、それだけで何よりの経験だろう。それにしても吹越満さんと片桐はいりさんとは。気にしても仕方がないのは分かっているが、落ちた僕とは雲泥の差だ。しかしそれはKさんが持つ役者としての魅力があるからなのだろう。魅力のある役者さんはほおっておかれないものだ。

■ 印刷所へ持っていくはずだったチラシに誤植が発覚したのは一昨日の夜。役者の名前に間違いがあり、手直しをしなくてはいけなくなったので、結局印刷所には持っていけなかった。印刷の予定は遅れてしまうのかもしれないけれど、それは仕方がない。間違って名前が載ってしまってはその役者さんも切ないことになる。

■ 昨日の夜は稽古。阿佐ヶ谷へ行く。例によってエチュードというか、ゲームのようなことをする。日曜日に少し可能性が見えてきたあるシチュエーションをやるためのヒントにつながりそうなエチュードを試みる。ちょっとうまくいかなかった感あり。単純に慣れの問題もあるのだろうけれども。

■ 帰りの電車で一緒になったYくんがエチュードとかをやるとき笑わさないといけない雰囲気になってしまって難しいといったことを言っていた。もちろん偶然面白いことが生まれることもエチュードの魅力ではあるが、きっとそれがエチュードの本質ではない。そもそも即興でそんなにすんなり面白いことができる人ならば、芝居以外の場所で食っていける気がする。エチュードで見たいのは、そういうやりづらさも含めて存在するありのままの身体だ。決まった台詞や動作がない状態で立つとき、それはつまりその人が持っているそのままの身体が出現することになる。束縛から離れた状態。それがその人のべーシィックな状態の身体なのではないのか。そういう身体を見ることがエチュードの目的だと思う。だから自分が思ったとおり『立て』ばいい。そういう意味でいうとエチュードにうまいや下手は存在しない。うまく見える人は機転が聞きやすいという特徴はあるけれども、逆に、機転が利きすぎて自分の身体を何かの影に隠す人もいる。器用すぎるのはたまに面白くないときもあったりする。

■ A管理人がはてなダイアリーにこの日記を載せるとき、いろいろ変化を加えている。そのことに関してホームページ上のBBSにコメントを書いているが、こういうことは捻じ曲げるとかにはならないのでどんどんやってください。それは捻じ曲げてくれちゃっているよと思ったら一声かけますんで。昨日間違って修業日記とタイトルを書いたのがきちんとはてなダイアリーでは訂正されていたり、引用部分を□で括ってくれているなど、なにやらめんどくさいことまでやってくれていて有難いことです。なるべく飽きないように一つ宜しくお願いします。なにせ君はよく飽きてしまうから。