東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『早稲田から帰宅』

早稲田で仕事の打ち合せがあり、それが終わって会社に戻る用事もなく、家に帰ろうかと都電に乗ろうと思ったけど、早稲田からならそれほどでもないかと適当に路地を歩くことにした。


神田川まで出ると、いわゆるマジックアワーというやつで、ビルの間から見える空が良い具合に橙色で、思わず携帯のカメラで写真を撮るも、思ったようには撮れない。


神田川を渡ると目の前は雑木林で塞がれる。そこに一筋、坂がある。胸突坂という名称のその坂が壁のような雑木林を越えて山手にあがる手段として、今も昔もここにある。坂の横にある神社で初老の男が一人、座っていた。坂を上りきったところにある和敬塾という場所で、おそらく宿舎生活をしているのだろう男の子たちが何かしゃべっている。大きな壁のある建物がある。蝉が鳴く。なぜか明治時代あたりにでもタイムスリップしたような錯覚を覚える。そこがとても現代とは思えない気分になってくる。目白通りに出て、やっと時間旅行は終わる。


日本女子大のあたりに気になるお店をいくつも見つける。いつか、それらの店に行こう。目白通り不忍通りが交わるあたり、ふと南の方向に目を向けると、細い路地の間から新宿のビル群が見える。新宿と目白の間は窪地になっている。新宿から緩やかに下り、早稲田のあたりから池袋へ向かうところで再び上る。だから目白から新宿方面を見ると高台から見下ろす様な格好になる。住宅街が広がっている。そしてその向こうにビル群が見える。とてつもなく大きい滑り台の上に立っている様な気分。それで携帯のシャッターを切るけれど、それもやはり思ったようには撮れない。

蒸し暑い夜。1時間ちょっとの散歩。