東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『33歳の嵐』

33歳になった。まぁ、ここまでくると歳を重ねても感慨などもないし、相変わらず求職中である身としては、これからは履歴書などの記載が『33歳』となると、なにやら『32歳』に比べて、峠を超えてしまった感があるような気もする。ゾロ目だし。



たまたま増村保造監督の『暖流』を観たのだけど、年齢を描写するシーンが2箇所ある。映画では主人公と思われる根岸淳扮するヒビキという男が、やけにしっかりしている男なのだけど、年齢を問われて「32歳です」と答えるシーンがあり、その背広の似合いっぷりと髪型や表情から「まじかよ」と驚きを隠せぬ僕がいた。で、そのヒビキに振られてしまう令嬢役の野添ひとみが、失恋したその日が実は自分の誕生日であったことに気付き、「私、今日で22歳なんだわ」と言葉にして笑うシーンがクライマックスにある。そこでの笑いがなんなのかは明示されず、観客それぞれに委ねられる。失意とは異なる印象の『笑い』だったと僕は感じたけど、いずれにしても、その日が自分の誕生日で、しかも22歳というなにやら節目を連想させる日だったことの、どこか不思議な偶然が、本当ならば哀しみにくれるような出来事を「笑い」に変えたのかもしれない。そして、女は仕事や自分のためにこれからは生きていくことを母親に誓う。



誕生日であった3月31日は、近所に住む友人たちと花見をする予定だったが、あいにくの風雨により室内飲みになった。嫁氏と娘子と家族で参加させてもらう。人見知りするような人たちでもないようで、娘子は意気揚々としていた。

途中、娘子の音頭で『ハッピーバースディ』を歌ってもらう場面があり、娘子に歌で祝われるヨロコビをかみしめつつ、急な展開を飲み込んで拍手をしてもらえた参加者の方々にも感謝感激でありました。が、娘子は祝う云々の前に、ただ単に『ハッピーバースディ』が好きという事実があり、一発目でホクホクとした酒宴の席に「せーの」とリピートを要求し、あれよあれよの間に5回ほど『ハッピーバースディ』をくり返したのではなかったか。最初は笑顔だった参加者の表情がみるみるうちに途方にくれていく様を見て、うろたえるしかなかった私でした。

嫁氏共々久しぶりに酩酊状態で帰宅し、娘子を風呂にいれてそうぞうにバタンキュー。


そんな33歳の始まり。