東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『3.11後を生きる君たちへ』

やけに晴れて暖かい。


娘子に「外で遊ぶかい?」と聞くと、いつもは「いやだー!」と泣き出すのだけど今日は自ら外へ行く準備を始めた。嫁氏が購入したローディーの砂遊びセットが功を奏したようだ。どうでもいいのだけど、玄関前に置いておいたプラスチックの砂遊び用バケツとスコップがいつの間にか無くなっていた。いろいろ検討したが、おそらく盗難に遭ったと思われる。まぁ、玄関前という外に置いていた自分たちの不用心もあるのだけど、にしても子ども用のバケツを盗む必要性と神経が判らぬ。何に使うのだ。あと、それを失ったことで子どもに生じる喪失感を想像できないか。


『3.11後を生きる君たちへ〜東浩紀 梅原猛に会いにいく〜』が再放送するようなので、是非多くの方に御覧頂きたくて書きます。

ETVで4月1日(日)午後6時から再放送されるようです。
哲学者東浩紀さんが、震災から1年を経て、哲学者梅原猛さんにこれからの日本がどのように進むべきかを聞きに行った番組です。

梅原さんは、原発事故を『文明災』と捉え、自然を支配出来ると考えた西洋科学文明とは異なる道に向かうべきだと考え、そのための2つの軸として

『草木国土悉皆成仏』
永劫回帰

の考え方を提示してくれます。

梅原さんは、古代エジプト文明には、太陽と水を神とする信仰があったのに、ギリシャ文明以後、そういった自然の中に神を見出す考え方が失われたと語っております。
(この番組とは別に、宗教学者中沢新一さんも『日本の大転換』という著書で、原子力のエネルギーの考え方は一神教の考え方に通じると言っております。)
そういった流れの中で、科学文明が発達していく西洋思想の考え方に、自然は支配出来るものではなく、畏れつつも共生していくという東洋思想の考え方を持って、これからは進むべきだと梅原さんは考えておられます。

本来、日本人がそもそも持っている考え方、端的にいうと『自然との共生』なのですが、とても大切な考え方だと思いました。

梅原さん自身の戦争体験にまで話がおよぶとても貴重な番組だと思いました。
宜しければ是非。


大塚英志さんの『彼女たちの連合赤軍』を再読して改めていろいろ考える。で、同時並行で宮沢章夫さんの『80年代地下文化文化論講義』と東浩紀さんの『動物化するポストモダン』も再読している。
それとは関係なく松田正隆さんの戯曲『雲母坂/夏の砂の上』を読む。大きな変化が起こっている2作。舞台となるのは松田さんの故郷でもある長崎にまつわっていながらも、扱い方がずいぶんと違う。『雲母坂』はマレビトの会の萌芽が感じ取れる。ここから物語が解体されて、言葉と身体と演じられる場所に力点が置かれるようになると思うのだけど、では、今、群像劇はどのような形で戯曲になるのだろう。