東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

千鳥日記『バラバラにあるもの』

■ 大阪寝屋川の教職員殺傷事件でなんとも疑問に思うのは、容疑者である少年の動機だ。「小学校時代に受けていたいじめを助けてくれなかった」はその少年にとってそのような犯行をさせるだけの動機であるのとするならば、なぜブランクをあけて17歳で犯行に至ったのか。小学校卒業は12歳として、この5年間は彼にとってどのような5年間だったのか。自供通りであるとするならば、彼は5年間、そのことがずっと胸のうちにあったわけでそれはそれで彼に培われてしまった『業』は深い。ただ5年という時間はやはり気になる。大検に合格していたというのも少し引っかかるし。なぜこのタイミングだったのか。刃物での殺傷は想像するに、かなり大変なはずだ。人間の筋肉や骨は頑丈なはずで、それを実行するにはかなりの力を要するし、3人となると尋常ではない。被害に遭った3人の方が、少年が恨みを持っていると言われている教師とは別人であるのも疑問だ。そこまで恨みが深かったとして、なぜ別人を手にかけたのか。「反省はしている。殺すつもりはなかった」とすぐに口にしているあたりもどこか不気味な感じだ。今更少年犯罪どうのこうのという気もない。子供だから人を殺す衝動がないなんて思わない。17歳。5年間。無関係の教師。殺すつもりはなかった。反省はしている。つながりがありそうで、ばらばらなもの。理由なんていくらでも並べられる。衝動は衝動。新聞記事や週刊誌でなにかにこじつけて語られそうな話題だが、きっとそんなつながりを見つけることなど無駄な気がする。そんなもので衝動は解明できない。きっとそうだ。

■ 昨日も稽古。京王線芦花公園駅から歩いて数分のところにある北烏山区民集会所。驚いたことにマンションの一室だ。区でマンションを借り上げて区民に提供しているとのことだが、こんな集会所があるとは驚いた。

■ 昨日に続き、動作である事柄を表現するゲームをする。ちょっと変化を加えて映画やテレビの自分の好きなシーンを再現してみようということになったが、これがうまくいかない。映画のシーンの再現を一人でやるのが難しいから。で、それがいつの間にか、観たことがない映画について、きっとこの映画はこんなシーンがあるはずだという想像を表現することになっていた。

■ 例えば「オーシャンズ12」ならマット・デイモンがジョージクルーニーのいうことを聞かずに「俺ももう一人でやれますから!」とか言って先走る。「カンフーハッスル」なら自分の力に目覚めた主人公が「これが俺の力か・・!?」と驚きながらも敵をやっつける。まだやってないけど「ダイハード4」があったらきっとブルースウィルスは「なんで俺だけこんな目に遭うんだよ!」とか言う。とか。想像だけで、こういうシーンがあるだろうと適当に作ってみる。くだらなくて面白い。

■ そういえば今回の芝居に関わる人たちはみんなラーメンズが好きだ。ラーメンズみたいな芝居を作りたいと言っている。そうきたか。いや、別にラーメンズは嫌いじゃないっていうか、むしろ好き。かといってそれに似たことをやったとして、結果「ラーメンズ」みたいだったと言われて、それが何になるのか。「やったーラーメンズに似ているって言われたー」とうれしがって終わりじゃあ面白くない。もちろん、全員がそういう風なことを目標にしているとは思わないし、僕自身ラーメンズっぽい台本を(意識して)書こうとは思わない。いろいろなものがうまく融合していいものができてばいいと思う。

ラーメンズ大好きなMさんがラーメンズのDVDを3本も貸してくれた。「椿」「鯨」「雀」。いやはやうれしい。さっそく「椿」と「雀」を見たけどやはりラーメンズの笑いは面白い。ひょうきん族のような笑いともドリフのような笑いともダウンタウンのような笑いとも違うラーメンズの笑いがそこにある。

■ 僕がこの日記で勝手に宣伝している、こうの史代さんの「夕凪の町 桜の国」(双葉社)についてこんな文章を発見。なんだか鋭い考察だ。僕もまだきちんと読み込めてないので、メモ。何度も書くけどいい漫画だと思う。

■ 1月の芝居を一緒にやって、リーディングにも出てくれたMくんから台本が送られてきた。この台本は来年の3月にやる予定の台本だ。一年計画。4月の終わりに役者の顔合わせと読み合わせがあるらしい。その後、年内に数回の稽古を重ね、来年に本格的に稽古に入るのだという。じっくりと稽古をつんでいこうとするMくんの姿勢はすごいなと思う。自分が好きな台本を、自分がやりたいと思う役者を集めて、自分が納得いく期間稽古を重ねて、公演をする。Mくんは自分がやりたいと思うことを、自分のやりたいペースでやっている。すごいなぁと思う。僕もそういう風に芝居が作りたいなと思う。きっちり台本を書く。そして役者を集める。理想としては僕が一緒にやってきたメンバーと芝居を作りたい。これまで関わった人たちと。そしてじっくり稽古して、舞台にあげる。それはきっと楽しいんだろうな。