東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

千鳥日記『節目』

松尾スズキの特集を読んでいたら、松尾スズキに夢中になるという分かりやすい構図で、原作・松尾スズキ、画・山本直樹「破戒」(IKKI COMICS)を購入。

■ で、今、こうやってパソコンを打っていたから気付いたのだけれども、僕はこの漫画を「破壊」だと思っていた。パソコンで打ってみると破戒にも変換ができて、初めてこれはどっちなんだろうと考えた。(この文章の間にネットでいろいろと調べている時間がある)で、よく見てみたら「破戒」だった。きちんと意味を調べようと思ってYAHOO!の辞書を引いてみる。

破戒・・・戒律を破ること。受戒者が戒法にそむく行為をすること。 持戒
破壊・・・やぶれこわれること。やぶりこわすこと。

なるほど。これは違う。口にすると同じ言葉でも、文字では違うもの。で、どうしたってこの漫画は「破戒」がふさわしいと思う。漫画の中でとくに引かれた描写である学校の校舎の窓ガラスを次々と金属バットで割っていく女性。その行動を見ることで女性に惹かれていく主人公。繰り返される『破壊』がクライマックスの凄惨な『破戒』に繋がっていく。それでも主人公はその凄惨な『破戒』のきっかけをつくった女性から受ける裏切りも痛みも全てを受け入れる、つまり赦す。そして一緒になることを望む。『破戒』は『破戒』を生むけれども、それは『赦し』を得るためのものとして描かれる。極限の純愛。しかし痛いなぁ。漫画で描写された場面を想像しただけでも痛い漫画だ。

■ で、日中は天王洲アイルにあるソフィアメックスという劇場でチラシの折込。以前、行っていた演劇学校の卒業公演があるので折り込ませてもらう。僕も、かつてその経緯でこの劇場に立ったことがあるが、もう今は昔の話だ。1000部を中途半端な姿勢で折りこんだので腰や背筋が痛いことになった。

■ 夜は稽古。今日から阿佐ヶ谷の稽古場から京王線沿いの稽古場に移ることになった。阿佐ヶ谷の稽古場は無料だけど21時までしかできない。京王線沿いの区民集会所は有料だけど22時までできる。そういったわけで追い込みもあるので、今後はこっちの稽古場を使うことが多くなる。1時間違うだけで、ずいぶん長く稽古をやった気になる。疲れ方も違うけれど、稽古時間が多く取れることは有難い。そうやって日々は進んでいく。

■ あ、今日で3月も終わりだ。そうか、なるほど。年次の節目だけど、僕の節目でもあるのだった。