東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『顔合わせ、町田にて』

ゴールデンウィークのなかにポツっとある平日。休みを取っている人も多いみたいで京浜東北線は空いていたが、埼京線は甘くなかった。おそらく遊びに出かける人も相まっているのだろうけれども、いつもよりは少ないが、やはり電車内は混んでいた。で、その人たちは新宿で降りていった。新宿か。一体、この町のどこにこれほど人を吸引する力があるのだろう。

■ 昨日、仕事が終わってから町田へ向かった。来年の3月に参加する芝居の初顔合わせがあったから。リーディングや1月にやった芝居でいろいろお世話になっているMくんが作・演出をする作品だ。

■ 自分が責任を負うポジションで、それはつまり作・演出という立場で芝居をやりたいとかねがね思ってはいるものの、それでもまた役者としてこの芝居に参加するのは単純にずっと昔からの約束だったというのもあるけれども、見せてもらった台本も面白かったからだ。まぁ役者だけの参加なのではありますが、およばずながら自分ができることをやろうと思っている。

■ とはいってもやるのは来年の3月でまぁまだ10ヶ月以上も先の話。顔合わせをしたとはいっても次に稽古をするのは9月の予定。それさえも前段階の稽古で、本稽古は来年の1月。そう思うと気の遠くなるような先の話にも感じる。

■ それでも今この時点で召集がかかったのはMくんなりの理由があるんだろうし、その辺はもう主宰が決めていけばいいと思う。Mくん自身、こういう風に台本を書いて演出するのは初めてのことらしいので、準備期間は多いほうがいいんだろうし。

■ この芝居は役者の数が多い。ちょい役も含めると17,8人でることになっている。というわけで昨日の顔合わせには制作などのスタッフとして参加して頂く方も含めて17人くらいの人が集まった。緊張した。参加者はMくんの知り合いが多いのでまだ大学生や卒業して1年くらいしか経っていない若い方々が主だった。それでもやはり未知の方のなかに入っていくのは緊張する。

■ 見知った顔がいないわけではなく、1月の芝居で一緒に役者をやったHくんやYさんも参加している。さらに役者ではないけれども、いろいろと手伝いを買って出てくれることになったFさんも昨日は町田に来てくれた。Fさんは阿佐ヶ谷の稽古場をいつも提供してくれることで御馴染みのFさんだ。こういう風に知っている方々が周りにいると落ち着く。

■ 昨日はとりあえず完成している台本をみんなで読んでみた。配役はほとんど決まっているらしいが、今回来られなかった人やまだ決まっていない役者の枠は代役の方が読む。Fさんも急遽代役を頼まれていてなんだか困っていた。

■ 台本は事前に渡されていたのである程度把握していたものの、やはりいろんな人が参加して声に出して読んでみることで改めて気付くこともある。面白いと思う部分、難しいと思う部分、いろいろある。ある程度の役はあてがきされているらしく、その役者さんが声に出すからより雰囲気がはっきりしてくる部分もあり、その辺はMくんがきちんと考えているんだなぁと思った。

■ しかし役者多いとなんだかすごいな。稽古とかどういう風に進んでいくんだろう。あといつもは飄々としているMくんがなんだか緊張しているようで、まくし立てるようにいろいろと説明したりしていて、それがいつもとは違うMくんだったので面白かった。そりゃ緊張するよ。初めてなんだろうし。大勢の人が参加していたら。Mくんが自分が書いた台本を人に声をだして読まれることは緊張するといったことを言っていたがそれは確かにその通りだと思う。

■ 読み合わせはMくんが思っていたよりもかなり早く終わったらしい。まぁ実際に役者が立って動き始めたらまたすこし尺は変わるんだろうけれども。なんにせよそういった稽古はまだずっと先のことだ。

■ 稽古後、町田の居酒屋で軽く飲むことになった。もちろん緊張していたのであまりしゃべれなかったし、町田からだと家に帰るのにかなり時間がかかるので1時間くらいで先に帰らせてもらった。そういえばそのときのMくんは稽古場にいたときと違って楽しそうだった。きっとほっとしたのだろう。僕が初めて台本を書いて演出したときはどうだったかなと思い出してみようと思ったがもうすっかり忘れていた。確か大学2年の終わりだったが、あんまり覚えてないもんだ。

■ 町田からの帰り、しかしそれは新宿へ向かう上り電車になる。とはいってもさすがに空いていた。しかし遠いな町田は。稽古場が遠いことだけは正直とてもめんどくさい。終電で家に着いたときにはもう深夜1時をとうに越していた。とにかくこれもまた楽しいことになればいい。