東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『低い声だった/ペタペタ歩くペンギン』

■ ある用件で友達と池袋で待ち合わせをしていた。約束は13時。時間に合わせて待ち合わせ場所に着たが先方はまだ来てなかった。待ってみた。10分経過。来ない。で、15分ほどしてから電話をかけてみる。でない。これはもしやと考える。すると即座に折り返しの電話が掛かってきた。

「ごめん、さっきの電話で起きた。」

それは明らかに寝起きと判るとても低い声だった。いつもとはまったく違う別人のような低い声だったのでそれはそれで面白かった。


■ 約束の時間から大幅に遅れての昼食。その友達は結構アニメに詳しいので「鋼の錬金術師」というアニメについて聞いてみる。ちょうどその日の朝、そのアニメの話題がワイドショーでやっており、山田五郎というコメンテーターがそのアニメを面白いと言っていたのだった。別に山田五郎をすごく尊敬しているとかいうわけではないけど、なんとなく気になってみたので聞いてみた。錬金術を用いて何かを作り出すにはそれに見合う何かを失うことになるという「等価の法則」というものがこの漫画のひとつのテーマらしく、そういった制約というか主人公に付きまとう「宿命」みたいなのがなんだか面白そうだった。漫画とアニメでは話が少々異なっており、どちらも面白いとのこと。今夏には映画もあるらしい。時間があったら見てみたい。そのほかにも漫画の話とかいろいろした。「おおきく振りかぶって」という野球漫画を薦められた。お返しに「おれはキャプテン」という野球漫画を薦めてみた。昔、すごく読んでいたちばあきおさんの「キャプテン」の絵柄を意識しているような感じで、僕が好きなイガラシキャプテン時代の雰囲気に似ているおり、面白いなぁと思う。ベースボールっていうよりは野球をしている漫画だ。結構地味な頭脳戦が面白かった。キャプテン翼みたいな超人のような主人公が「ありえねえよ」と言ってしまいそうな技を繰り出すスポーツ漫画とかいっぱいあったけど、最近はそういうのとは対極にあるような漫画だ。考えてみたら、そういう超人が出てくるスポーツ漫画って最近、ないのではないだろうか。結構地に足がついたスポーツ漫画が多いような。それも時代の風潮なのか。とはいっても最近は全然漫画を読んでいないのでよく判らない。


■ その後、品川へ。会社の人たちと品川プリンスホテルにあるアクアスタジアムという水族館に行った。水族館へ行くのは本当に久しぶりだった。小学生以来だ。久しぶりに行ってみるとそれはそれで面白かった。トンネルのようになっているアーチ上の水槽の中を歩けるようになっていて、頭の上を悠然と泳ぐ鮫の姿はなんだか「おお」と思った。


■ イルカショーやアシカショーもやっていて、それらも面白かったけど、一番よかったのはペンギンだった。いっぱいいた。ペタペタ歩いていた。なんだかかわいかった。イルカやアシカはショーをこなさないといけないのでいろいろな芸を仕込まれていたが、彼らはそんな芸など仕込まれない。ボーっと立っている。泳いでいるのもいる。僕ら見物客を意識しているペンギンもいるが、まったく気にしていないやつらもいる。それが面白かった。じっと立っている。もしかしたらそれが寝ている姿勢なのかもしれないが、よく判らない。それがペンギンの生活なのだろうと思う。一応、南極とかをイメージしたと思われる作り物の岩や氷があり、壁にはオーロラやら殺風景な南極の風景のペインティングが施されているが、それらもきっと彼らはなんの関心もないのだろう。何もしなくても外敵が現れず、気候も快適なまま変化せず、時間になれば餌がもらえる。何不自由ない環境で暮らす彼らが幸せなのか不幸なのかは判らない。ただそこに立って、ペタペタと歩くペンギン。とにかくその立ち姿がよかった。


■ その後、焼肉をご馳走になる。とてもうまい肉だったのでここぞとばかりに食べたら食べ過ぎてしまった。たかがビール一杯で酔っ払ってしまい、食べすぎと相まって気持ち悪くなり帰りに一人で苦労してしまった。せっかく美味しいものを食べれたのに、食いすぎで無駄に苦しんでしまうというのはどうにもよろしくない。美味しいものも腹八分がちょうどいい。