東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『時代はDVD』

■ 七夕であります。七夕といえば7月7日と当然のように思っていたけど、北海道の帯広は8月8日が七夕だった。そこだけが異例というわけではなく、この七夕の日付というのは土地によって様々らしい。『なぜ』そうなのかを考えてみるのも面白いのかもしれないけれど、ちょっと面倒。せっかくの七夕、満点の星空は拝めないにしても、雨が降らない方が楽しいのだが、東京は夕方から雨とのこと。


■ 昨日、地元の駅前にある大型ビデオレンタルショップの会員になる。いつも使っているレンタルショップよりも品数が豊富。ビデオもさることながらCDもかなり沢山。欲張り過ぎない程度に借りたい。


■ 誤算なのはレンタルの品々にDVDが多いこと。気になる作品がDVDだけしかなくビデオではないというケースが多々ある。もはやビデオ需要よりDVD需要の方が多いのだろうか。こういった電化製品のハードの移り変わりはいつだってあったのだろうけど、なんというか時代を感じる。そうかと思えば埋もれていくものも世の中にはあり、例えばレーザーディスクはなんだったのだろうかと思ったりする。中学校の授業で、それも音楽の時間になぜか車田正美さんのアニメ「風魔の小次郎」を観る機会が頻繁にあった。今にして思うと、なぜ音楽の時間にしかも「風魔の小次郎」なのか。どう考えても不可解な組み合わせだ。単にその授業を担当していた先生の趣味なのかもしれないが。その『風魔の小次郎』がレーザーディスクだった。ビデオしか知らなかった当時、レーザーディスクはなんだか未来を感じさせるモノだった印象がある。あんな薄いものの中にどうやって映像データが入っているのか不思議だった。そしてあの円盤のでかさたるや。


■ とにかくそんなことを想いつつ、DVDでしかレンタルがされていない作品に後ろ髪をめちゃくちゃ引かれながら2本ほどビデオを借りる。

竹中直人監督作品 『無能の人
ジャン・リュック・ゴダール監督作品 『ゴダールの決別』


つげ義春さんの本を読んでいたらつげ義春さんの漫画の映画が見たくなったというわけで。本当は『リアリズムの宿』を見たかったのだけど見事にDVDしかなかった。『無能の人』もずいぶん見てなかったので久し振りに借りることにした。


■ 冬の寒々しい東京の多摩地方。なんだか駄目な人がもがけばもがくほどいよいよ駄目になっていく映画。そうやって落ちぶれていくなかで、それでも最後に家族で手を取って歩いていくラスト。そのかすかに垣間見える救いにほっとするものの、生きるっていうことは切ないもんだなぁと思う。『119』という竹中直人監督の作品が好きでこっちのビデオは持っており、頻繁に見るのだけど、比較してみてみると撮りかたが違うような気がする。照明の当て方とかカット割りとか。詳しくは判らないけど。『無能の人』は意図的に照明が暗いような気がする。画面全体が古めかしく見えて、それはおそらく意図的にちょっと昔の時代を表現しようとしている気がする。つげ義春さんの漫画『無能の人』だけを脚本として使っているのかと思っていたけど、短編『日の戯れ』の話がうまい具合に挿入されていた。この話が大好きなので見入ってしまう。こんな挿話があったなんて忘れてた、というか以前に見たときはまったく意識してなかった。


■ 『ゴダールの決別』は見ながら寝てしまった。もう一度後で見直さなくては。次に見る時は、とにかく流れる映像に身を委ねる見方をしてみようと思う。この映画を理解しようとして見てもどうやら僕には無理そうな気がする。少なくとも僕にとっては眠いときに見る映画ではなかった。いや、むしろそういう時にこそ見る心地よさもあるのか。