東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『もう風も吹かない』

■ 夜勤の夜。仕事を休んでばかりもいられないので今日は稽古を休ませてもらった。と、いっても明日が小屋入り。悠長なことを言っている場合でもないのかもしれないけど、今日は稽古もそこそこに明日の仕込みの準備などをするとのことで休んでも差支えがないと言ってもらえた。迷惑ばかりかけてしまっている。


■ で、改めて書くけど明日が小屋入り。公演期間である来週の月曜日まで高円寺を行き来する日々になる。小屋入りっていうのはやはり楽しみだ。高円寺明石スタジオという劇場は以前も一度芝居をやったことがある場所なので多少勝手も知っている。今回はある旅館のロビーが舞台で、きちんと舞台を組むことになっている。明日の仕込みは忙しいことになるだろう。みんなは9時入りなのだけど、僕は明日の朝10時まで職場にいるので劇場にたどり着くのは11時頃。何かと申し訳ないことになっている。今回は役者さんがすごくたくさんいるのできっと楽屋はにぎやかなことになるのだろう。


■ 今回の芝居に参加する役者さんから『もう風も吹かない』という芝居のDVDを借りた。これは桜美林パフォーミングアーツプログラム(OPAP)と青年団の役者の人たちによって演じられた平田オリザ作・演出の芝居。桜美林パフォーミングアーツプログラムとは桜美林大学文学部総合文化学科演劇コースが主催する公演の名称とのこと。面白かった。最近、いろいろと機会に恵まれて平田オリザさんの作品に触れることが多いのだけど、どの作品も現代の日本に目を向けた作品になっていて刺激を受ける。僕が学生の頃、入っていた演劇サークルの先輩に平田オリザさんの作品が好きな人がいて、その人から『冒険王』『南へ』『火宅か修羅か』『北限の猿』など数々の作品のビデオを見せてもらえた。考えて見たらすごく恵まれていた気がする。青年団の作品を自分が演劇をはじめたタイミングにたくさん見れたのはものすごくよかった。いかんせん、代表作である『東京ノート』や『S高原から』を見逃している。いつか見たいもんだ。出来れば舞台で。


■ で、この『もう風も吹かない』に出演していた役者さんが数名、今回の芝居にも参加している。僕が言うのもなんなんですが、とても魅力的な役者さんたちで稽古を見ているだけもでも刺激になる。その芝居に参加していない役者さんたちも魅力的な人たちが集まっている。単純に、魅力的な役者さんを見ているのは楽しい。だから稽古場に行くのはすごく楽しかった。稽古も終わり、いよいよ本番を迎える。


■ DVDに入っていた平田オリザさんのコメント。


『演劇を作るという行為を通じて、個々人が自分の頭と心と身体で、何かを感じ取り、考え続けること。そして、そこから得た結果を自分の判断として、責任を持って他者に向かって表現していくこと。その表現の孤独に耐えること。私が大学で教えられることがあるとすれば、たぶんそんなことくらいだろう。』

  
  最近、やっと自分もそういう気持ちで、そういう覚悟で演劇と関わっていけるような気がしてきた。一役者として今回の芝居をいいものにしていきたい。


■ とにかく明日は小屋入り。楽しい日々になればいいなと思います。