東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『2日目』

■ ふと風景に目をやると梅の花が咲いている。改めてみると梅の木はなんとも素敵な感じだ。桜はあのピンク色の花に目がいってしまうのだけど、梅は花だけというよりはもっと全体としての調和にその美しさを感じる。高円寺の劇場に行く途中に人の家の軒先に小さな梅の木が植えてある植木鉢があるのだけど、その立ち姿がなんともいえずいい具合。しなやかに湾曲している枝。白いつぼみ。なんとなく『淑やか』という言葉が連想される。今日はちょっと天気が悪かったのでなんとなく残念だった。


■ 公演2日目。小屋入りの時間が13時だったので高円寺をふらふらしてみた。高円寺は商店街がたくさんあって歩くのが面白い。JRの高架下にある通りがなんだか不思議な感じ。昼時に歩いたのに閉まっている店が多い。開いていたのは古着屋さんと古本屋さんぐらい。看板を見るとスナックと思われる名前が多かったので、夕方くらいから開店するのだろうか。きっと夜はにぎやかな通りなのだろう。そういう時間帯にまたその通りを歩いてみたい。


■ で、その高架下にあった都丸書店という古本屋さんで本をいくつか購入。

 中上健次枯木灘』(河出書房新社
 南木佳士ダイヤモンドダスト』(文春文庫)
 大岡昇平『俘虜記』(新潮文庫

 どれも格安。ほくほくした。


■ そして夜は公演。初日よりも落ち着いて芝居を出来た気がするけど、落ち着くことが演技にとっていいかというと必ずしもそうではない気もする。落ち着きすぎると演技が無難なところでまとまってしまうこともあるから。無難は嫌だよ。「安心」して観られる役者さんっていうのは確かに魅力的だけど、もっと魅力を感じる役者さんは「安心」だけに還元されないものを持っている役者さん。ともすると「不安」に近いものを抱えていて、不安定に見える役者さん。それが本当にバランスが悪くて不安定なだけだったら魅力を感じることはないのかもしれないけど、絶妙なところでバランスが取れているような役者さんはすごいなと思う。その『絶妙なところ』というのは言葉ではうまく言い表せらないけど、とにかく「無難」な演技では絶対に立つことが出来ないところだと思う。


■ 今日もたくさんの人が来てくれた。かげわたりの宮嶋くんや一緒に展覧会をやったTさんとSさん。以前やったリーディングに出てくれたKさんも観に来てくれたらしいのだけど終演後に用があったらしく挨拶できなかった。


■ そして終演後は昨日と同じく居酒屋へ。いやはや公演と飲み会を繰り返している。でも、いろいろな人と話すのは楽しい。終電間際の電車は激しく混んでいた。うーん金曜。