東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『お笑いライブを見た』

■ モンゴルに行っていた友人が帰ってきて、メールで感想などを送ってくれた。そのメールには『ひたすら山と空なんですが、空が本当に絵の具で塗ったみたいな青一色で絵本の中にいるみたい』とあった。漠然とその言葉に近いイメージを想像してみるけど、きっとそういった想像を遥かに超えた風景を友人は目の当たりにしたのだろう。雄大な自然っていうのはなんだかありふれた言葉でしかなくて、もうそういう言葉も吹き飛ばしてしまうような視界が広がっていたのだろうな。書を捨てよ、旅に出ようだな。


■ 職場の友人から突如、お笑いライブに行かないかと誘われたので行ってみることにした。芝居や映画はそれなりに行ったことがあったのだけど、お笑いライブというのは行ったことがなかった。中野にある劇場でやっていたそれは合計14組のお笑い芸人を目指す人たちが参加していた。一緒に見に行った友人の話によると、なんでもNHKのお笑いオンエアバトルに出場したことのあるコンビも混じっていたらしいのだけど、お笑いオンエアバトルを最近あまり見てないのでそれがどのコンビなのかはよく判らなかった。


■ こういうお笑いライブはおそらく1日だけ劇場を借りてちょっとした打ち合わせやリハーサルをしたらすぐに本番を迎えるのだろうけど、そのせいなのか段取りとかはすこぶる悪い。司会者とかもがんばっているのは判るけど、なんだか空回りをしている印象を受ける。進行に際して映像がしばしば用いられていた。それなりにしっかりとした映像だけど、いかんせん流し方がよくない。プロジェクターで投影しているのだけど、映像が始まるたびに画面の右上に『再生』の文字がくっきり浮かんでいる。あれってすごくかっこ悪いし、せっかくの映像を台無しにしている気がする。


■ でも、お笑いのネタ自体は面白かった。14組もいるのでネタの段階でちょっと辛いなと思う人たちも確かにいたけど、何組かすごく面白い人たちがいた。ネタの他に芸人さん同士でちょっとしたお題でトークをするコーナーもあったのだけど、そういうコーナーで目立つ人と目立たない人がはっきりと分かれていた。ネタの時にはすごく生き生きとしていた人でもトークになるとどうも乗り切れない人もいた。ネタが面白いのも大事だけど芸人さんってやはり瞬発力のようなものが大事だと思う。


■ どこまで行けば芸人として成功したとするのかはよく判らないけど、おそらく今の芸人を取り巻く状況ではテレビで面白いと評価されることが一つの基準になっていると思う。最近のテレビではネタを披露する番組が増えており、そこでひとまず注目を浴びて、その後にトーク番組やバラエティ番組への出演を掴むというのが一つの流れとしてあるように思う。トーク番組やバラエティ番組ではその芸人さんにどれだけ瞬発力のようなものがあるかが試されている気がする。ネタをきっちり仕込んで、それを見事に披露することも一つの才能なのだろうけど、この瞬発力のようなものを一瞬うちに発揮できるということも一つの才能なんだと思う。昨日、クイズヘキサゴンⅡにブラックマヨネーズが出演していたのだけどすごく瞬発力を感じた。逆に波田陽区とかはすごく普通だった。すでに服装も普通だし、ギター侍でもなかった。波田陽区はこれからどこにいくんだろう。


■ なんにせよ芸人さんってすごい。芝居の役者さんは1ヶ月くらいの稽古期間を経て、やっとこさ人前に出るけど、芸人さんはその瞬間の閃きでお客さんを笑わせなければならない。口にする言葉、動き。努力とか計算を超えた何かがそこには必要になってくるのではないか。それこそセンスというやつではなかろうか。


■ なんにせよ、面白いものを観た気がした。こういうのもやはり経験だなと思いました。