東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京y生活『カメラ・オブスクーラ』

■ 17日(金)放送の『僕らの音楽2』のゲストはウルフルズだった。『バンザイ〜好きでよかった〜』をトータス松本スガシカオ田島貴男斉藤和義の4人が弾き語りで演奏していた。この4人、生まれた年が一緒でもともと交友があるらしく、それで今回のコラボレーションが実現したとか。意外だと思ったのは生まれた年が一緒ということで、なんとなく田島貴男が年上でスガシカオは年下のイメージ。おそらく僕がそれぞれの人たちを知った順番(つまりメジャーな場所に出てきた順番)が影響しているのだと思うけど。斉藤和義さんがテレビで、というか歌っているところとか初めて見た。他にウルフルズのメンバーで演奏した『春一番』や『サムライソウル』もかっこよかった。


平田オリザさんの戯曲『東京ノート』はヨーロッパで戦争が起こり、美術館にあった絵画を日本の美術館にいったん避難させているという設定。劇中でオランダの画家、レンブラントフェルメールの絵画についての話題がしばしば語られる。興味深かったのはフェルメールが絵を描くときにカメラ・オブスクーラを用いていたということ。詳しい説明ははしょるけど、つまり対象物を肉眼で見るわけではなくレンズのついたカメラ越しに見て絵を描いていたらしい。そうすることで三次元のものである対象物を一度二次元の画像として捕らえ、それから絵に描いていたのだという。


■ その当時、それは17世紀らしいのだけど、その時期は光学の一大飛躍の時期だったそうで、ガリレオニュートンによって望遠鏡が作られたり、顕微鏡なんかも作られた時期だったそうだ。肉眼で見れる以上の世界が広がっていった時期だった。肉眼で捕らえた風景を切り取る画家であるフェルメールがそういう最先端の技術を自分の手法に敏感に取り入れていることがなんだか興味深い。分野の垣根を越えて自分に必要なものを取り入れる。思想が手段に現れている。


フェルメールに関してはせいぜい『オランダの光』という映画を見たぐらいでまったく勉強不足。そういえば『オランダの光』で考察されていたオランダに降り注ぐ光というのも面白かった。このサイトでカメラ・オブスクーラの詳細やフェルメールの描いた絵が見れます。


■ 観た作品
ケラリーノ・サンドロヴィッチおいしい殺し方』第二話
大島渚『東京戦争戦後秘話』                        

女性の裸体に映像が投影されるシーンのかっこいいこと。そして首都高での走行シーン。地面ギリギリを這うように映される映像なのに、高架で作られた首都高はどこか街から乖離しているように見える。そんな首都高を最後に逆さまから映す大胆さ。うーん、すげえ。

『東京戦争戦後秘話』の台詞。

『風が吹いていた 水が流れていた 太陽がギラギラと輝いていた』