東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『風邪は甘くなかった』

■ 風邪はだんだん良くなっていると思う。まだ少し頭がフラフラしたり喉の奥に痰がからむ感じがあるけど。早く風邪菌が完全に抜けて欲しいと思うばかりです。キョンキョン的に言うと『私の中のよからぬものがジョジョビジョバァ』といった具合にならないかなぁと思います。ときにあのCMは制作の説明とか偉い人にどうやってしてたんだろう。

「今回のCMは小泉今日子さんに『ジョジョビジョバァ』と言わせます」
「・・・え、それだけなのかい」
「はい」
「・・せっかく小泉今日子さんを起用するなら、せめて、その・・もう少し何か言ってもらってもいいんじゃないか」
「いや、まぁ、今回はとりあえず『ジョジョビジョバァ』で」
「『ジョジョビジョバァ』か」
「はい。『ジョジョビジョバァ』で」
「・・・まぁ君がそう言うのなら今回はそれでいこうか」

そんな問答はなかったのだろうか。いや、まぁ無くてもいいんだけど。


■ 本当は今日、大井競馬場でやっている夜の競馬、東京シティ競馬に仕事が終わってから職場の人と行く予定だったのだけどぶりかえすのが心配だったので遠慮しておいた。実は競馬場に行ったことが一度もなかったので行ってみたかったのだけど。場外馬券場には何度か私用とは別に諸事情があって行ったことがあるけど。あそこは馬がいねぇ。


■ だけど早稲田大学には行ってみた。まぁ暖かい日中だし授業は受けたかったから。今回は前回の『身体と言葉』の続きでいろいろな歌声を聞かせてもらった。宮沢さんが用意してくれたボブ・ディランの歌声やチベットのホーミー、モンゴル民謡、ヨーデルブルガリアンボイス、ブルースにカントリーの音源等々。世界中にはいろいろな声がある。単純に発声が良い声ばかりではない。そこには独特の声の出し方もあれば悪声もある。だけど悪声でもその声がむしろ歌詞(言葉)に影響を与えるほど魅力的なものもある。


■ これってその通りだなぁと思う。魅力のある声ってすごくいい。上手下手でわけるものではないと思うし、はっきり「これ」って言えるものではないんだけど、「あ、この声いいなぁ」と思ったら歌詞とか気にせずその声に聞き入っちゃう。今回聞かせてもらった民族音楽でもモンゴル民謡は日本の追分に通じるものがあってすごく良かった。意味とかじゃなくてもう響きがいい。


■ あと宮沢さんが紹介してくれたもののうち、桜井圭介さんが南無観音経の人たちをスタジオに招いてお経を読んでもらい、それを録音したものとクラブミュージックを融合させた『NAMUKAN』という曲と、Gavin Bryersという人の『Jesus’Blood Never Failed Me Yet』(神の血は決して私を見捨てない)という曲がすごく気になった。『Jesus’Blood Never Failed Me Yet』は宮沢さんもおっしゃっていたけど『トーキョー/不在/ハムレット』のリーディング公演の詩人の朗読のシーンで使っていた曲だった。あの公演を観てからずっと気になっていた曲。この曲を歌っているのはアメリカで路上生活をしている人なのだという。Gavin Bryersが路上生活をしている人が口ずさんでいた声を録音し、それに音をつけた曲なのだという。その歌声の一言一言がなんだか重くて、ずっしりと響いてくる感じがする。惹きつけられる。


■ ところで風邪は甘くなかった。授業を聞いている間からちょっと頭がフラフラしてきた。危うくぶり返しそうになる。慌てて家に帰る。直りかけの時こそ用心せねばならぬ。