東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『高島野十郎/イッセー尾形』

■ 土曜にテレビ東京で放送していた『美の巨人たち』という番組で画家の高島野十郎さんを紹介していた。その生き方に圧倒され、絵に驚嘆した。自画像のまなざしの強さはただごとじゃない。独学で絵を習得し、

『世の画壇と全く無縁になる事が小生の研究と精進です。』

という言葉を残し、70歳からは自給自足の暮らしをして絵を描き続けたのだという。描いた絵は親しい人たちにあげたとのこと。


■ 「月」という作品を見たときテレビ画面越しなのに見とれてしまった。どう形容していいのか判らないけど、とにかくその月明かりのぬくもりのようなものに惹かれた。


福岡県立美術館に作品がたくさん保管されているらしい。没後30周年回顧展が今年の1月にあったそうな()。そしてタイムリーなことに来月6月10日から三鷹市美術ギャラリーにその展覧会が巡回してくるとのこと()。メモメモ。うぉぉ、これは必ず行く。三鷹市美術ギャラリー高島野十郎展のポスターに描かれている月は作品「月」の月の部分を切り取ったもののようです。きれいだなぁ。


NHK教育テレビの『芸術劇場』で放送していたイッセー尾形さんのスタジオライブを観た。といってもシタールライブから帰ってきたら23時をまわってたのできちんと観られたのは『大家族〜休職編〜』と『ベテラン俳優』の2作品のみ。『バーテン』観たかったな。


■ 過剰なものを感じないわけではなかったけど、佇まいはやはりいいなぁと思う。この放送の番宣番組のようなものが先週の土曜にやっていた。一人芝居の作り方について聞かれたイッセー尾形さんが「こう動けば面白いって考えて動いているわけではなくて、かつてお客さんの前で演じたときに笑ってくれたことを身体が記憶していて、その身体の記憶を頼りに動いている」というようなことを語っていた。


■ 身体が覚えている喜びの記憶とでもいえるのか。身体が喜びの感覚を無意識に憶えてしまうくらい一人芝居を積み重ねているということ。そしてその記憶を可能な限り再現し、別の作品に再構築できるということ。どれほどの技術があればああいう立ち方を出来るのだろう。つくづくすごいなぁと思う。