東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『浅草まで歩く』

■ 夜勤明けに銀座へ。新しいコンタクトレンズを作りに行く。本当ならば4月に行かなければ行けなかったのだけどなんやかんや行けてなかった。ついでに眼の検査もしてもらったのだけど視力検査を担当してくれた若い男の人の胸に『研修中』というバッジが付いていた。どこの職場もそういう人が多い時期なのだろう。ちょっとだけレンズを入れてもらうときビクビクしてしまいました。


■ 新しいレンズで気分一新。夕方に友人と浅草で待ち合わせの約束をしていたのだけどまだずいぶん時間がある。いつもなら映画を観に行ってしまうのだけどそういう気分でもなかったので、思い切って銀座から浅草まで歩いてみることにした。


昭和通りを横切って新富町を抜けて八丁堀へ。その辺はオフィス街なので日曜はすごく静か。平日は賑やかなのだろうけど、日曜だと車どおりも少ない。新大橋通りを歩いて日本橋川を越える。中央通りを歩いていたら日本橋を渡って日本橋川を越えることになる。日本橋の真上には首都高が横切っている。重要文化財でもある日本橋の景観を首都高が損ねていると不満を言う人が大勢いるけど僕は1603年に架けられたこの橋(石造りになってからは94年だけど)の真上を首都高が走っているこの風景こそが現代の東京なのだと思う。


日本橋蛎殻町を越えると水天宮に辿り着く。ここは安産と子授けのお宮として有名だそうで、お腹の大きな女性や子供を連れた家族連れで賑わっていた。水天宮の近隣には駄菓子屋がちらほらある。店先には懐かしいお菓子が並んでいた。


■ そこから箱崎交差点へ。首都高箱崎Jctの真下。首都高のこの辺りを走ったことはあったけど下を歩いたことはなかった。ここはすごかったです。真上に首都高が何重にも重なっていろんな方向にのびている。まるで巨大な蛇が何匹も空を走ってるみたい。ちょっとありえない風景が広がっておりました。首都高の下には東京エアシティターミナルという羽田や成田に向かうリムジンバスの停留所が設置されているのも歩いて初めて気付いた。この辺に住んでる人はバス一本で成田に行けるのか。意外と便利かも。


箱崎交差点からはすぐに隅田川にぶつかる。隅田川を挟んでこっち側は中央区、渡ると墨田区隅田川めちゃくちゃ川幅が広い。川沿いが整備されていて歩けたのでそこから川沿いを歩くことに。『河口から3.0㌔』の表示を見つける。つまりこの辺は東京湾から3.0㌔地点ってことか。どことなく潮の香りがしないでもない。あと川を眺めていたらくらげが泳いでた。


日本橋浜町付近で隅田川沿いから離れて少し内側へ。この辺で猫を数匹見つけた。そのうち1匹はどうやら野良。おそらく誰かが大きくなってから捨てたのだろうけど。こなれた感じで路地を走り去って行く。それにしても猫が歩く風景を東京都中央区で見るとは。


■ 浅草橋の交差点に辿り着くと神田川とぶつかる。神田川はここで隅田川に吸収される。神田川はあの「あなたはもう忘れたかしら」でお馴染みの神田川だけど実は東京を縦断している。早稲田の付近から江戸川橋飯田橋と流れて中央線沿いをエッチラオッチラ、秋葉原の横を通過してやがて隅田川に辿り着く。ずーっと神田川が流れてる。早稲田沿いは春になると桜がとてもきれい。僕はその辺を散歩するのが好き。


総武線浅草橋駅を横切って蔵前橋通りを歩いてやっと浅草につく。ブラブラ道草をくっていたので結局2時間半ほど歩いて辿り着いた。さすがにちょっと疲れた。


■ それにしても浅草はさすがに観光名所。人が多い。外人さんの観光客もたくさんいる。仲見世どおりの付近はなんだか観光客用の場所になっている気がする。まぁそういうものを求めてやってくる人がいるわけだから仕方ないのかもしんないけど。その辺よりもウインズや東映の映画館がある通りの方がなんか良かった。馬券を買いに来た人たちで溢れかえっている。そこには観光地気分は一切無い。露天商がいそべ焼きとか焼いている。競馬新聞を持った人たちが平気で路上に座っている。酒を飲んでいる人も大勢いる。近くの喫茶店も競馬新聞を持った人でいっぱい。その猥雑な雰囲気がきちんとした観光地の付近よりずっとよかった。


■ 夕方になって友人と合流。吾妻橋を渡ってアサヒビールビルへ。このビル、屋上に金色の奇妙なオブジェがあることで有名。このオブジェはちょっといかがなものかと思う。そのビルで行われたアサヒカフェナイトを観に行く。本日はインドの楽器シタールの演奏。ゲストボーカルにUA。これちょっと今までにない経験でした。シタールを演奏する人は総勢30名ほど。何重にも重なって響くシタールの演奏もすごいし、UAの声がまたすごい。魅力的な声ですわ。シタールの音とUAの声が合わさって頭の中にどーんと響いてくる。曲はある程度構成が決まってるだけでその場の流れで演奏していて、UAもその音を聞きながら自分が気持ち言いタイミングで声をいれている。ライブは80分ほどだったのだけど、演奏したのは1曲。つまり1曲80分。正直疲れたけどこれほど気持ちいい疲れもない。音楽を体感したって感じでした。ちょっと今までに経験したことがない音楽体験でした。


■ と、いうわけでいろいろと歩いたりした日曜日でした。