東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『ゴレオ6世が左を狙う』

■ 会社の同僚と昼食を食べ終わってから職場に戻るときに、同僚の人から「鼻から何かでてるよ」と言われた。手で拭ってみると血がついている。鼻血が出てた。実は、初鼻血。この歳になるまで私、鼻血がでたことがありませんでした。鼻を指でほじっていたら粘膜を傷つけて血がついていたということはあったけど、自然に鼻から血が出てくるということは今まで経験したことがなかった。27歳、初鼻血。まぁ「うぉー、これが鼻血ってやつかぁ。へへへ、血って鉄の味がするね」なんて楽しくなるわけではなく、初めての鼻血にそれなりにうろたえたわけでした。なにせ、今まで出たことがなかっただけになぜここにきて鼻から血がでたのかが判らない。同僚の方によると体調が悪いと鼻血がでる人もいるそうで、先週ひいた風邪をまだ少し引きずっているのかもしれない。


■ その同僚の方は子供の頃からことあるごとに鼻血が出た経験を持っているそうな。風邪を引いては鼻血。風呂でのぼせれば鼻血、と幾多の鼻血経験を持つその人は今では鼻血を出すことも止めることも自分でコントロールできるらしい。例えば高校時代、体育の授業で長距離を走らされることがある場合、面倒くさいと感じたら鼻血を出して授業を休んだりしたそうな。経験は時に人体に驚異の影響を与えるな。その方は「子供の頃は鼻血が止まらなくてバケツ一杯くらいの血がでたこともあったよ」と事も無げに言っていたけど、それって一歩間違っていたらかなり危なかったのではないかと思う。


■ 話は変わる。最近ヤフーのニュースで見たのだけどサッカーの2006年ワールドカップのマスコットキャラクターであるゴレオ6世は不人気らしい。確かにこのゴレオ6世、相棒のおしゃべりボールのピレともどもかわいくない。あとズボンを履いておらず下半身が剥き出しだ。


■ 何の気なしにオフィシャルサイトゴレオ6世の紹介ページをみたら、彼の生い立ちから趣味まで事細かにかいてあった。幼少期に密猟者に捕まった悲劇や今回のマスコットキャラクターに至るまでのゴレオ6世の半生を知ることが出来る。


■ 例えば彼の好きなことはこう記載されている。


『本当に好きなことだけしてればいいと言われたら、彼はサッカー、スタジアムでの試合観戦、若い雌ライオンの品定め、伸びをして顎の下と耳の後ろをくすぐってもらいながらの日向ぼっこ、ハンバーガーの無茶食い、スターに会うこと、オープンタイプロードスター(他のタイプの車に乗れない)の運転、そしてレプリカキットの収集を選ぶだろう。』


ハンバーガー食うのかよ、このライオン。それがドイツ風なのか分からないけど、なにやら冗談のようなものが至るところにちりばめてあり、それはそれでちょっと面白い。


■ さらにこのページにはゴレオ6世の写真が載っているが、これもまた冗談のような写真が多い。写真の下に日本語訳されたタイトルが掲載されているのだけど、例えばこの写真は『ゴレオ6世とピレ、ライオンのように強い』と書かれてある。彼は元々ライオンじゃないかと思わずにはいられない。これもドイツ流の冗談なのか。おのれジャーマン、ビールとウィンナーだけの国じゃあないぜ。


■ とりわけ面白いと思った写真が『ゴレオ6世とピレが右を狙う』『ゴレオ6世とピレが左を狙う』の2枚。16枚しか掲載されていない写真のうち、なぜ同じシチュエーションのこの写真がわざわざ2枚あるのかがよくわからない。でも写真を掲載した人はどうしても2枚載せたかったのかもしれない。「ゴレオ6世は左を狙うんだよ、そう、左を。そして当然、右も狙っていくんだよ。そういうもんだろ。判るかい?」とどこかの誰かが呼びかけてくるようだ。右も左も好きなだけ狙っていただきたい。


■ こうやってゴレオ6世のことを少し知ると、彼の笑顔があまり世の人々に受け入れてもらえないのが少し哀しいなとも思えてくる。ワールドカップともども彼も注目されることを少しばかり願う。