東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『ブログ移行/三鷹の芝居など』

地割れ

■ここから改めてこちらのアドレスにブログを移行しました。内々の事情だけで、特に変更はないのですが、簡単に説明すると以前までは人様のアドレスでブログを更新させて頂いており、そろそろこういうことも自分でやらないといかんなぁと思い、はてなのアドレスを自分で持つことにしました。過去分の日記の移行もできたのですが、写真は無理みたいでなんとも地味な色合いになっておりますが、今後とも宜しくお願い致します。


■ 猫について方方でベラベラしゃべっていたからだろうか、大学時代の後輩Oからそんな猫好きのあなたにと「みんなのうた」で流れている「クロ」という曲を教えられた。O曰く、その曲を聴いて3度泣いたという。さらにまた見ても泣けるという。すごいことになっている。それで「You tube」で検索をかけてみる。このサイト、以前から知ってて頻繁に入ってるけど、つい長居してしまいますな。子供の頃に夢中になって見ていた喜びの記憶と共にあるテレビ番組がみれるから楽しくて仕方ない。


■ で、件の「クロ」は遊佐未森さんの曲で、歌のバックに流れる絵をおーなり由子さんが描いていた。全体的にやわらかい雰囲気。内田百輭の「ノラや」同様、不意に目の前から消えてしまった猫について歌われた曲。理由も判らずにいなくなってしまうだけに、なんだかぽっかりとした喪失感だけが残される。一つはっきりしているのは、こういう寂しさを実際には絶対に経験したくはねぇなということ。ほんと切ないことになる。


■ 7日(水)。三鷹に友人が出ている芝居を観に行く。他の出演者を見るとちょっと驚くような顔ぶれで、こういう現場で芝居をやるっていうことは絶対に今後の糧になるんだろうなと思う。オーディションで選ばれたというからそれはすごいと思う。終演後、居酒屋でいろいろ話す。変ってないなと思った。その友人とはかつて一緒に芝居を学んだ中で、その後はそれぞれ別々に芝居をやっていたけど、しばしば飲んだりする関係は続いた。それがいつからか連絡を取り合わなくなり、ここ数年は疎遠になっていた。別に仲たがいをしたとかではなく、ただなんとなく連絡をしなくなってしまっていただけで、こういうものはおそらくタイミングの問題なんだと思う。


■ 今回、むこうから連絡をくれて久しぶりに会った。はっきりとは覚えてないけど2年くらい会ってなかったのだと思う。別に年数は問題じゃない。連絡がないからって心配するほどのことでもないし、お互いそれなりにやってるもんだ。実際、友人はこうやって芝居をやっていた。かつて一緒に芝居を学んだ人たちともずいぶん疎遠になった。もう何をしているのか判らない人たちもいる。それはそれで仕方がないと思うし、それぞれ自分のペースで何かをやっていてくれればいいなと思う。いつかどっかでばったり会ったらそれが楽しい。友人とは終電まで飲んで別れた。公演が終わったらまたゆっくりと飲もうと約束した。それも楽しみだ。


■ ところで、またもや内田百輭に話は戻るのだけど、百輭の作品に「阿房列車」(旺文社文庫)というとても面白い紀行エッセイがある。ここに百輭が一緒に旅をした人に言われたちょっと頭がぐにゃぐにゃしてくるような問いかけが載っている。なんとなく眩暈のしてくるような文章も百輭の魅力なのかもしれないけど、算数の問題のような感じで、なんとなく解答のようなものはだせるんだけど、どうもすっきりしない。からきしこの手の問題が苦手だからなのだけど、宜しければ読んでいただきたいと思います。一部中略しながら本文を抜粋。

『三人で宿屋へ泊まりましてね。解り易い様に簡単な数字で云ひますけどね、払ひが三十円だつたのです。それでみんなが十円づつ出して、つけに添えて帳場へ持つていかせたら、帳場でサアビスだと云ふので五円まけてくれたのです。それを女中が三人の所へ持つて来る途中で、その中を二円胡麻化しましてね。三円だけ返して来ました。だから三円を三人で分けたから、一人一円づつ払ひ戻しがあつたのです。十円出した所へ一円戻つてきたから、一人分の負担は九円です。九円づつ三人で出したから三九、二十七円に女中が二円棒先を切つたので〆て二十九円、一円足りないぢゃありませんか。』

 この問いかけにすっきりとした解答を出せる方がいらっしゃいましたら是非教えて頂ければと思います。そんなこんなでした。