東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『NUE/西瓜/その他いろいろ』

喫茶志摩

■ 新しい家のパソコンがめでたくネット環境になった。それにしても配線工事の人の手際の良さといったら。『職人』と呼ばれる人の手さばきはほんと見ていて惚れ惚れする。それがなんによるものなのか、経験というやつなのか判らないけど、手つきに無駄がなく、流れるようでほんとイイ。


■ 以下、週末覚書。

11月2日(木)。

以前、友人から鍋をやろうと声をかけられていて、仕事が忙しくて返事をだせなかったのだけど、この日の夜なら大丈夫かもと「鍋祭りをやりましょ」とメールを送ると、「じゃあ、君の家でどうか」と言われる。それで、急遽僕の家で鍋をやることに。最初は3人くらいでやる予定だったのが、あの人も呼んでこの人も呼んでと気がついたら計7人に。結構、部屋が狭くなってしまうかなと思ったけど、意外と7人おさまった。

それはともかく人が7人も集まると人は暴挙にでますな。暴れる暴れる。以下、暴れた記録を列挙。

・ 「ここは土足で大丈夫でしょ?」と靴を脱がずに部屋に侵入。
・ 床の上で飛び跳ねる。
・ 床に鍋用に買って来たきのこを撒き散らして「これはオブジェ」と言い張る。
・ 正岡(子規)先生が降りてきたと言いながら俳句を諳んじる。
・ なにかと「真説 ザ・ワールド・イズ・マイン」やコーネリアスの新譜を持って帰ろうとする。
・ カーテンにかわいい猫の絵を描く(ペンで)。
・ 人の携帯を勝手に見る。そして勝手に僕の友人にメールを送る。
・ 深夜3時からのラジオを、持参してきたスピーカーで爆音で聴く。そして曲に合わせて床の上で飛び跳ねる。
・ 寝ている僕の髪を散髪。
・ 勝手にパソコンを立ち上げて、井上(ひさし)先生が降りてきたと言いながら僕が書いていた台本に加筆。それを上書き保存する。

まったく人は集まると恐ろしい。僕はといえば引っ越したばかりなのに早くも立ち退きになるのではとビクビクするしかなかった。まぁ、でも、そういうのをひっくるめてもこうやって人が集まるのは楽しい。せっかく家が都内になったわけだから、これからもいろいろな人が遊びに来てくれればなと思う。


11月3日(金)。

朝方にみんなが帰った後、さすがに爆睡。それで昼過ぎに起きだして三軒茶屋へ行く。シアタートラムで上演されている宮沢章夫さん演出の現代能楽集「NUE/鵺」のプレビュー公演を観劇。役者さんの声って重要なんだなと思う。台詞はもちろん何かの意味をもって発せられるのだろうけど、意味を超えたところの『音』として聴く気持ちよさもあるのだと思った。ロビーで販売していたユリイカ11月特別号「総特集・宮沢章夫」を購入。この芝居に関する文章や対談を読みつつ電車で帰る。

一度、家に帰ってから自転車で大塚へ行く。池袋が近いので当然大塚も近い。自転車で明治通りや川越街道を走っていると「ああ、今、俺、東京を自転車で走っているよ」となんだか不思議な気分になる。大塚近辺には15分ほどで到着。それで家常さんと会っていろいろしゃべる。観てきたお芝居のことや、音楽のこと、仕事のこととかいろんなこと。こういう時間はほんとに楽しい。0時過ぎまでいろいろしゃべってからまた自転車で帰る。


11月4日(土)。

インターネットの環境設定をしてから、電車で渋谷へ。渋谷へは電車で15分で行ける。これもほんとありがたい。ふと映画を観たいなと思ったらすぐに出れる。で、シアターイメージフォーラムツァイ・ミンリャン監督の『西瓜』を観る。なんて滑稽で切ない話だろう。ラストとかほんと絶妙なところで切ない。一歩間違えばただアレを咥えてるだけなんだけど、ていうか、まぁ実際咥えてるんだけど、それがあんなに切なくなるのはなんなんだろうな。食欲とか性欲とか、人の根源のところにあるものをこの監督さんはしれっと描くなぁ。

それから新宿へ。以前の職場でお世話になったある方と飲む。社会の中で賢く生きることが大事だと考える人はいるもので、確かにそれはすごく判る。ただ、やはりそれだけではないはずだと僕は思う。社会よりも世界はもう少し広い、はず。

終電で帰宅。不思議なもんで、埼京線は埼玉へ向かう下り方面よりも、池袋へ向かう上り方面の電車の方が終電が遅い。終電で池袋に向かう人も横目で見ながらそんな時間に池袋に行く人は一体どういう人なんだろうと思う。夜の池袋はなにやら深そうだ。


■ 今日の空日記。夕方、家を出るときなにやら雲が不思議な感じに。用心で布団や洗濯物をしまってから出る。この写真を撮った直後に雨が少しだけ降った。その後、雨はすぐに止んでぶり返すことはなく、夜帰る頃にはきれいな満月が出ていた。