東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『マダムシルク』

■ 仕事中にあることをやってしまう。この仕事を始めてから4ヶ月で2回目。と、いっても別にこの仕事のせいとかではなく、明らかに自分の不注意。どこかでポンと気が抜けているところがある。一歩間違えていたら取り返しのつかないことになるところだった。一昨日の夜はそれで気持ちが沈んでいたのだけど、昨日今日と時間が経って状況が収束する方向に向かったのでほっとする。


■ 21日。仕事で日暮里に初めて行った。電車で通ったことは無数にあるし、乗換えでホームに降りたことはあったけど実際に改札を出たのは初めて。行ったことがある上野や御徒町とはまたどこか異なる印象。日本というかどこかアジアな雰囲気が漂っている。駅前に『ニュートーキョー』といういい具合のパチンコ屋さんを発見。



■ 22日。たまたま仕事で以前通っていた職場の本館に来る。4ヶ月ぶり。と、いっても仕事の方が忙しく歩き回ることはできず、前の仕事の時にお世話になったところに挨拶に行くこともできなかったのだけど。役に立ったことといえば、判りづらい本館の中の道案内ができたことか。4年間、働いていた賜物だ。


■ 仕事が終わってから池袋のジュンク堂に駆け込む。またもや閉店間際ギリギリ。それにしても22時まで営業してくれるのは本当に有難い。待ちに待った木村紺さんの『神戸在住』9巻を購入。それから西池袋の立教大学の傍にある『マダムシルク』という店に行く。先日、神楽坂で入った喫茶店に置いてあった東京の喫茶店巡りとかいう本に掲載されていたお店で、お酒も飲めるけど、コーヒーも飲めるお店。有難いのは営業時間が深夜2時までやっていることだ。23時くらいまでやっている喫茶店はよくあるのだけど、もっと夜遅くまでやっていて仕事帰りに寄れる喫茶店がないかなと探していたところだった。


■ 店は通りから少し入ったところにあるビルの地下1階で、本を読まなければ絶対に気付かないような場所にあり、気付いても間違いなく入っていないような門構。ジャズが流れるその店はなんともいい具合の雰囲気で、そうだからといって落ち着いているわけではなくて、何か不思議な熱気がある。中年の3人の大人たちがお芝居や劇団のことについて話している。はたまた大学生風の若者が美術がどうとか話している。僕はそんな中で1人『神戸在住』を読みふける。


■ いいところを見つけたなとホクホクした気分になったのだけど、入り口のところにこの店が12月いっぱいで閉店する案内が貼ってあるのを発見。ショック。予定では他の場所で来年からも営業するらしいのだけど。店名も店員さんも変わらずにお店が続くのであればどこでお店を開こうとそれはそれで何かしらは「継続」されるのだろうけど、新しいその店には「空間」の記憶というものがない。時間を積み重ねることでゆっくりと堆積するそれが、何か不思議な魅力としてこのお店を包み込んでいるような気がする。それがなくなるのはなんだか寂しい。ただ、まぁ、新しいお店で、また新しい空間の記憶が積み重なっていけばいいのだとも思う。終わっちまうことを悔やんでもしゃーない。せっかく発見した素敵な空間なので僕なりに今後も満喫しようと思う。そして願わくば新しい店舗も夜遅くまで営業して欲しいなと思う。


■ 『神戸在住』を読み終えてから、徒歩で帰宅。寒さもそれほど厳しくないので散歩がてらに丁度ヨシ。