東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『ライブ/ダーウィンの悪夢』

■ 6日(土)。雨。ある仕事でお世話になった方のところに挨拶に行く。お会いしてすこし話をしたのだけど、その方の経営する店舗兼自宅がその周辺の再開発に伴い2月末に取り壊されることになるらしい。そこには新築マンションが建てられるのだという。上野や秋葉原に1本で行ける便利な駅から徒歩3分ほどのその場所はおそらくマンションが出来ることである人たちからは喜ばれるのだろう。「出来ることなら生まれ育ったこの土地に住み続けたいのだけど、難しいかもしれない」とその方はこぼしていた。話が終わってから雨の中、駅に向かって歩いていると、同じ区画内ですでに空き家になっていると思われる家の前に新築マンション建設予定地という看板が立てられてあり、完成予想図もおいてあった。たいそう立派なマンションが立つみたいだ。雨がとても冷たかった。



■ それから六本木へ。昨年から話があがっているかげわたりの楽曲「東京ラララ」のPV制作の打ち合わせのため、EDGEで行なわれるライブのリハーサルにおじゃまする。ええと、今回のPVは谷川さんが監督をやることになった。これは年末の話し合いで決まったことで、僕もそれが良いと思った。技術的な知識は僕にはないけど、できるかぎり手伝っていきたいと思う。このPVの制作に関わることになったTさんとそこで初めて顔を合わせる。谷川さんが持ってきた案と、Tさんが持ってきた案にかげわたりの面々が挙げてくれた「東京ラララ」のイメージを合わせていって、いくつか画のアイデアが浮かぶ。話し合いの中でネックになったのはやはり予算の問題。機材のレンタル費や撮影場所の使用料など、結構難しいところだ。やっかいだけど、こればっかりはモノを作るときに切り離せないもの。


■ ライブはよかった。これは友人としての贔屓目ではないと思う。それにしてもこれは何かの縁なんだろうな。ほぼ一年前にこの場所で公演をしていたことがえらく昔のような、つい最近のような感じだ。EDGEの人にも「もうあれから1年ですよね」と声を掛けられて、そうなんですよねぇ、としみじみ思った。ライブ後、バンドメンバーと観に来た人たちとで打ち上げ。そこで一つうれしいお知らせが。打ち上げの席に来てくれたEDGEの経営者の方が、かげわたりのPV撮影の場所としてEDGEを提供してくれるという。もちろん空いている時間という条件付だけど、これほどうれしいことはない。そういうわけで、打ち上げは朝まで楽しく続き、フラフラになりながら明け方に帰宅した。


■ 今日の空日記。快晴。渋谷に『ダーウィンの悪夢』を観にいく。映画を観終わったあと、中沢新一さんの著作『三位一体モデル』に書かれていたこと、『資本主義社会において価値は際限なく増殖しつづけ、現在、制御不能になっている』を思い出した。遠い国の、僕には関係ない話ではない。『ダーウィンの悪夢』の舞台、ヴィクトリア湖は資本主義社会の縮図になっている。新成人が自分らは格差世代だなんて言ってるとニュースでやってたけど、ほんと、いやーな時代になってきてる。だからこそ『価値の増殖をどうコントロールするか』を考えることが重要なのだろうと思うわけだけど、それはどうやってやるのかと僕もよく判らずに、映画の登場人物同様、働かざる負えない状況の中に埋没しそうになる。ああ、ほんと、つくづく働かねぇと生きていけねぇよぉ。それはさておき、渋谷のタワーレコードでやっとTino rossiさんのCDを見つけた。声が、すごくいいんだよなぁ、ほんと。凹んだ気分を和らげてくれるぜよ。