東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『家、2つ』

■ 昨日、家の近くを歩いていたら、とてもいい具合に日差しがあたっている家があり、ちょっと写真でも撮りたいなという気分になって携帯で写真を撮っていたら「何撮ってんだよ」と後ろから声をかけられた。ふりむくと40後半から50歳くらいの丸刈りに眼鏡をかけた中年の男の方がこっちに歩いてきた。その家の主だった。「誰に許可とって写真撮ってるんだ。場合によっちゃあ訴えるぞ」と高圧的な物言いをされて、仕方がないので正直に「とてもいい感じに日が当たっていたので写真を撮りたかった」と伝えると、きちんと断ってからなら別に構わないといって、その家にいる自分の母親を呼び出し、「さぁ、断れ」と言ってくる。そう言われてしまったので「あの、いい感じなので、写真を撮らせてください」と、明らかに事情を飲み込めていないその母親にことわると、「よし、撮れ」と今度はうってかわったような態度で写真を撮ることを許してくれた。それで撮ったのがこの2枚。日差しを浴びた木造の家と、その家の庭にある公孫樹の木。





撮り終わると、「なんなら撮った写真を送ってくれよ」とその人はニヤリと笑って言った。本当のところは、竹を割ったような性格なのだろうなと思う。考えてみれば、確かに自分の家に携帯を向けられたら気分も悪いだろうな。法的根拠があるかないかはよく判らないが、そういうことではなくて、何か不快な感じというものは携帯で写真を撮られるということの中に確かにあるだろう。そういうところを少し意識しなくてはならない。


■ 軽く仕事を片付けてから少し歩く。市ヶ谷から神楽坂へ。外堀通りから少し入ると、急にきつい坂道が現れてくる。それでなんとも閑静な住宅街に入る。単純に、いいところだなぁと思う。この辺に住みたいなぁと思ったこともあったけど、やっぱり家賃とか高いんだろうな。


■ フラフラと歩いていると、なにやら目を引く建物をみつけた。2階建ての小さな家で、1階部分がギャラリーになっている。何か展示があるみたいで、人も多く賑やか。結局、外から眺めただけで帰って来てしまった。こういう時、中に入れないのが僕の駄目なところで、家に戻ってからいっときゃよかったとグジグジ後悔する。ホームページがあるようなので調べたらhttp://www.ayumi-g.com/ks/arc/14ayumig/sakuhin14.htmlというサイトが見つかった。


ふっと喚起するものがある。偶然だけど、怒られながらも撮った家や、この建物を同じ日に見つけて、今書こうと思っている戯曲のことをいろいろ考える。僕が今、その戯曲のことばかり考えているからその家に目が止まったのだろう。空間の記憶というものを考えている。それを言葉にして、戯曲にして、一つの作品に出来たらなぁと思っている。どういう風にして、その戯曲を形にしようか、まだ考え中だけど、その芝居を発表できる機会があり、それに向けて今、いろいろ考えている最中。その機会について、詳細は後日。


■ 池袋のサンシャインシティの中であった古いビデオの即売所で、周防正行監督の『異常の人々 伝説の虹の三兄弟』を980円でゲット。うえーい。