東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『かむみ』

■ 職場に置いてあるかゆみ止め『ムヒ』は、仕事上の都合でテープが巻かれ商品名が隠されてある。ただ、商品名を伏せているだけで、中身はまごうことなく『ムヒ』である。何も書いてないと、それがなんなのかまったく判らないので、テープの上に僕が手書きで『かゆみ止め』と書いたのだけど、それが『かむみ止め』と間違えて書いてあることが本日、判明した。間違えてたか。間違えたんだな、かつての俺よ。時には自分に甘い俺は、かつての俺にやさしくするよ。疲れてたんだよな、そうだろ、かつての俺。ていうか、あれは間違えじゃない。あれは、『かむみ止め』なのだ。つまり『かむみ』を止めるためにある。『かむみ』はただものじゃないよ。『かゆみ』なんて甘ちゃんと一緒にしてもらっちゃ困る。初期症状は『かゆみ』と似てるが、安心してほおっておくとどえらいことになる。頭が「いー」ってなるらしい。それで尋常じゃなくだるくなる。日向を避けて、日陰を歩くようになる。それでいろいろあって、ほおっておくと死に至るので、2週間くらい入院しなくちゃならない。おそろしいらしいよ、『かむみ』は。というわけで気をつけたほうがいい。あと、間違いは誰にだってあるものさ。


■ それで、俺は昨日、結局『キル・ビル』を観たわけで、とはいってもさすがに途中で一度寝てしまっており、千葉真一が登場したかと思ったところでぱっつり意識が途切れ、次に気がついたらもう千葉真一の出番は終わっていた。まぁ、そこは諦めておく。


それにしても人がばったばったと切られる映画だ。俺は、バイオレンスと呼ばれる映画が本当に駄目で、「いたい」映画は「いたい」というだけで見れないのだけど、なんか、『キル・ビル』は観れたわ。なぜかといろいろ考えたけど、あれですな、この映画に描かれているのが「いたみ」ではなくて別のものなんだからだろうな。いうならば、「いまみ」と呼んでいいほどのものだ。「いまみ」は「いたみ」のふりして全然違う別もんだぁな。もっといえばでたらめだな。なにせ「いまみ」だし。ただ、まぁ、そのでたらめをやりとおして、やりとおしすと、やりとおした先に、「いたみ」では見えなかった別のもんが見えてくる気もする。その点の「いまみ」っぷり、いや、開き直りっぷりはすごいと思うんだけど。ただ、まぁ、個人的な感想だけど、どうもその「いまみ」を追求するでたらめへの意志とでもいうやつが、思想とは別の、手段であるとしか思えないんだよな。つまり、戦略家というか、見事なくらいB級を狙っていて、ドストライクにB級をついていけるあたりの「うまさ」が、本当に「うまい」としか思えず、だけど、それ以外は特に何もなくて、その「うまさ」がすべてのように思えるんだよな。まぁ、それで充分いいのかもしれないけど。


月食の日だったけど、雨でまったくみれず。残念残念。雨上がりは涼しくて心地良い。