東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『東京の果てを思い出す』

■ 仕事、無事終了。とりあえず一区切り。それで今日は少しだけゆっくりと起きて、後始末に銀座へ向かう。日中の銀座を歩く。休日とはまた異なる風景。無性に蕎麦が食べたくなり、目に入った蕎麦屋へ。背広の人たちに挟まれつつ、ざるそばを食べ、蕎麦湯を飲む。


■ それから、とあるビルの二階に入っている落ちついた風情の喫茶店に入る。階段を昇った入り口にメニューが置いてあるが、その下に注意書きが貼られている。




潔い喫茶店だ。なので潔いアイスコーヒーを頼む。苦味が程よく、酸味がない僕が好きな味のコーヒーだった。400円也。人の出入りはあるけれどせわしなくていい。それでしばし考え事をしながら過ごす。


■ 夜に、仕事が終わってから新宿で、友人のO、それからMと、あと『東京の果て』に出てくれた冨江くんと飲む。冨江くんとはずいぶん久しぶりに会う。わいわいと盛り上がり、楽しく飲んでから、閉店間際になってある件について少し話す。もともとは冨江くんから声をかけてくれたその話。それについて僕が今、やりたいことを提案してみる。わーっと盛り上がる。冨江くんはかなり酔っ払ってしまったので細かくはまた今度ということになった。帰り際、店から出たエレベーターの中で酔っ払った冨江くんが「四人しかいねぇ」と言ったのには笑ってしまった。最初から四人しかいない。それはそれとして、いろいろとうれしい夜だった。


  久しぶりに新宿に来たような気がする。考えてみると久しぶりってほどでもないのかもしれないんだけど、なんだかずっと新宿に来ていなかったような気になっていた。帰り際、酒によっぱらったのか、駅のホームでうなだれて座り込む若い人を見た。『東京の果て』は新宿が舞台だった。自分の前を通り過ぎていく人たちとの一瞬の出会い、ということを意識して書いたつもりだった。冨江くんと少し話して、久しぶりに『東京の果て』について考えたり、『東京の果て』のホームページに書いた短編などを読み返してみた。過去になってしまった一瞬の出会いや出来事は、今では自分の中にしかない。自分の中にしかないそれらによって、今の僕が生かされている。今、あの時とはまた異なるものを作り出そうとしていても、そういう考え方にぶれはないと思える。


  いろいろ自分のなかで盛り上がってきた。盛り上がってきたぞ。