東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『年末覚書』

tokyomoon2007-12-30

■ 忙しかったり、考え事をしていたり、ぼんやりしてたりして、時間が過ぎていった。今日までのことの覚書。


■ 22日(土)から23日(日)。久しぶりに父と母と遠出をする。大宮から新幹線に。父と母は共に九州で、僕が小学生のころ、夏休みや冬休みに実家に帰るときはきまって新幹線で帰省をしていた。母が飛行機を嫌がったから。子供の自分にとって新幹線の中ですごす5時間強は苦痛と乗り物酔いの思い出しかなく、九州はやけに遠くに感ぜられた。祖父の訃報を受けたとき、僕は飛行機で実家へ向かったが、飛行機の時間が2時間にも満たないうちに福岡に着いたとき、あまりの速さに驚いた。


3人での遠出。2人掛けの新幹線のシートに父と母、それから僕が一人でその前のシートに座る。しばらく走ってから父が僕にシートを回転させて向きあった4列組にしろと言ってきた。指定席だからと言ったが、人が乗ってきたら戻せばいいと父は聞かない。4列組にすると父は空いている自分の向かいのシートに靴を抜いだ足を投げ出し、くつろいだカッコウで外を眺め始めた。僕は母と向かい合う。母はよくしゃべり、父は静かに外を眺める。そうやって新幹線は進んでいく。決して『世界の車窓から』ではないけれど、こういう時間にはこういう時間の面白さがある。


■ 24日(月)。自主映画の脚本を書く。夜はお好み焼きを食べる。こういう日のお好み焼きやは空いている。


■ 25日(火)。仕事の用事で静岡の伊豆へ。去年の同じ時期もこのあたりに行っていた。まさか一年後に同じあたりに来るとは。小田原厚木道路を終わりまで行くときに海岸にぶつかるカーブがあるのだけど、そこに差し掛かるところはとても好きな視界。


■ 26日(水)。職場の忘年会。2次会はカラオケ。『波乗りジョニー』と『なごり雪』を歌う。季節感とか年代とかどうとも気にしない選曲をしたものだ。深夜の靖国通りで信号という存在をまったく無視しつつ、通りを行き来しタクシーを捜すアラーキーを目撃す。


■ 27日(木)。仕事納め。夜、仕事帰りに衝動的に『労働者M』という芝居のDVDを購入。上演中の『わが闇』という芝居を観たいあまり、同じ作家さんの芝居を観たくなるという自分のことながら難しい欲求。あと、日中に職場の前の通りで元×GUNの嵯峨根を目撃す。


■ 28日(金)。捻った左足の治療。それまでつけていたガチガチのギブスから、軽量のギブスへチェンジ。ずいぶん歩きやすくなったけれど、このギブスとはこれから2ヶ月の付き合いに。


旅の道中、母が、「笑っていいともに出ているアシスタントの片方を見るとあんたを思い出すんだわ」と言っていた。その時は何を言っているのだと思った。治療先の病院の待合室のTVで『笑っていいとも』をやっていた。アシスタントの一人を観た。当然僕より若く、僕より目元がきらっとし、僕より何倍もいい男だとは思う。ただ、確かに似てるような気がした。自分で言うのもなんだけど。


夜。冨江くんと自主映画の打ち合わせ。いろいろ話す。どういうことを撮りたいのか、自分なりに説明。話しているとまたいろいろ思いつく。


■ 29日(土)。下北沢へ。ナイロン100℃の『わが闇』を観劇。座布団で3時間越えの芝居を観るのは初めての経験だった。当日券の哀しさよ。どんな状況であれ、彼らは生き続けたと宣言したラスト。第二幕の途中から舞台が斜めになるわ、いたるところにすごく不安な予兆が満載だっただけに、この着地点のわずかながらでもある希望には救われる思いがした。開演前、下北沢の町を徘徊している柄本明さんを目撃す。


それから池袋で冨江くんに紹介してもらったKさんという女性と会う。自主映画に出演してもらう女性。緊張しつつも自分の撮りたいことや脚本について説明。話だけでは伝わりきらないところばかりだろう。年明け、一度稽古をするので、その時に目指す方向性を一致させることができればと思う。


それから有楽町線小竹向原という場所にある『SAI MARKET』というお店でかげわたりやゆかりの面々と忘年会。飲みの席で、以前撮影をした写真を見せてもらった。とても良い具合に仕上がっていた。途中、家常さんの合図で、参加者12名がそれぞれ手に持っているものや近くにあるもので音を出し、音楽を作ろうということにあいなり、みんなでテーブルを叩き、皿をたたき、笛を吹いた。大層なものでは決してないけれど、そこに音楽が生まれたと僕は思う。よろこびに溢れた音楽がそこにはある。


■ 30日(日)。諸々あって埼玉の和光へ行き、それから銀座へ。銀座の『ゲンカツ』というお店でとんかつを食う。大変美味しい。とんかつ最高。とんかつを豚に勝つと書くのなら私はいつも負けっぱなし(字余り)。帰宅してから『労働者M』を観る。


■ そんな日々。