東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『秩父を通り過ぎていく』

tokyomoon2008-01-11

■ ある仕事で秩父付近を車でまわる。関越道の東松山ICで降りて、嵐山のあたりをフラフラ。それから寄居、長瀞、皆野、秩父と車でまわる。朝から日の落ちるまで。仕事とはいえ、一人で、しかも車での移動ってことで、もう気分はドライブ。もちろんしめるところはしめつつも。


東松山までは関越で東京から1時間強でいける。近い、と僕は思う。会社の車は車内でCDが聴けるので、ここぞとばかりにCDを持ち込む。持ち込んだのは、
Amiina『kurr』
ランタンパレード『太陽が胸をえぐる』
Axe Riverboy『Tutu To Tango』。
坂本龍一トニー滝谷
なかでもAmiinaを繰り返し聴く。なんだかいい。とてもいい。平日の日中ということもあってどこもかしこものんびりしてる。歩いているのは犬を連れたおばあちゃんやら、自転車を引いて歩くおじいさんやら。こういう場所に来ると、ベタながらも、「のんびりとした時間をこういう場所で過ごせたならばなぁ」というような思いにもかられるのだけれど、じっとしていることの出来ない性格なのできっとすぐにどこかに飛び出してしまうのだろう。


皆野には『東京の果て』の時に行った。家常さんと谷川さんと一緒だった。あの時、車の中でかけていた音楽はマイケル・ナイマンの『ひかりのまち』のサントラだった。少し渋滞をしていた国道をゆっくりと走行していた時、午後の光が山の間から車内に差し込んできた。その視界と『ひかりのまち』の音楽はすごくよかった。今はAmiina『kurr』を聴いて皆野を走る。またあの時とは異なる視界。皆野の町。立ち寄ったコンビニに車を停めて、しばらくぼんやりしていた。窓ガラス越しにコピーをとっている母と小さな娘の母子がみえた。何の本なのか。赤い本だった。母親がその本のページをめくって次々とコピーをとっていく。娘は母親の前から離れはしないが、なんだか退屈そうにその場で身体を動かしていた。今日の印象に残った風景。通り過ぎていく、車に乗った僕は、本当にいろんなところを通り過ぎていく。そういえば皆野から関越方面に向かう有料道路に、とてつもなく長いトンネルがある。久しぶりにそこを走って、またもや眩暈がしそうになった。