東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『愛おしき隣人/マリオ・ジャコメッリ』

■ いわゆる五月晴れな一日。外に出るとすごく気持ちがよかった。この季節の快晴はほんといい。


■ 恵比寿のガーデンシネマでロイ・アンダーソン監督の『愛おしき隣人』を観た。これはきました。すごく良かった。こういう作品を徹底的に作っている人がいるというのは本当に刺激になる。


なんというんだろう、どれもこれもすごく良かった。画の作り方もいいし、出演者の人たちもいいし、音楽もいい。見ようによってはストーリーが無いとされてしまうのかもしれないけど、ワンシチュエーション毎に次々と入れ替わりで登場する人物たちが、自分の生きる世界を、ある一部分だけ切り取られて、そこだけ映画の中に映されているような、あの感じ。すごくいい。一気に色々と想像力をかきたてられる。


登場人物の、あの、ただぼんやりと何かを眺めている立ち方が本当にいい。なんなんだろうなぁ、もう魅力としか言いようがないんだろうな。役者について考えるとほんと難しい。うまさや器用さでは図れない魅力というやつがあるんだろうな。


それにしてもほんと、この作品は久しぶりにドカーンときた。


■ それから同じく恵比寿にある東京都写真美術館で今日まで開催していた『マリオ・ジャコメッリ展』を観る。かげわたりの家常さんがすごく良いと話していて、それで僕も行きたいなぁと思っていたので。最終日に滑り込みで見る。


  あまり写真のことは詳しくないけど、すごく現像にこだわっている人なのかなぁと思った。白と黒の色の際立たせ方とか。被写体となるのは人物だったり、木の切り株だったり、畑の畦だったりするのに、色味に手を加えることで、また異なる世界が出現するというか。手を加えることで作品を成り立たせること徹底的。そうすることで、情報とは異なる作品として、この人の写真が出現している、ような。


  いやー、それにしても、久しぶりにたくさんインプットした気がする。僕が知らなかった人の作品にたくさん触れることができて、それが本当に楽しい。