東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『サマーウォーズやら』

tokyomoon2009-09-28

おさむんと広島に行った時にまわした8ミリ映像をアップロードしました。平和記念公園も、広島県産業奨励館も、市電も、決して撮ってないわけではなく、がんがんフィルムをまわしていたつもりだったのですが、フィルムが終っているのに気付かないまままわしていたらしく、それに気付いた時には基町付近に来てしまい、まぁいいかと諦めた次第。産業奨励館近くで雑談をしているおばさん2人から、この界隈のボスだよと、茂みの近くでどうどうと寝ていた猫を教えてもらい、その猫も撮ったし、市民球場前で、おそらくこれから大会でもあるのだろう少年たちを撮っていたら、1人の少年がカメラの前で猪木のモノマネを披露してくれたのも撮影したのだけど、すべてフィルムが終った後にまわしていました。それはそれでフィルムに残らなかったことが残念だけど、撮れた映像の、主に基町アパート周辺の風景は、僕にとっての広島であり、それがきちんと形として残ったのは有り難いことです。


週末のこと。髪を切る。伸ばそうかとも思っていたのだけど、前髪がうっとうしくなりばっさり切った。髪を切りながら、たまたま手に取った雑誌で、『敷居』についての文章があり、敷居は内と外を分ける境界としてあり、内側を内側として機能させつつ、外側との架け橋になり、外側を外側として機能させつつ、内側との境界として時に外側を閉め出しつつ、時に流通の架け橋になる、といったようなことが書いてあり、これを都市に当てはめると、都心と地方という内と外の敷居として『郊外』があると考えられるとあり、それは興味深い論考だなと思った。思いがけず、自分の意図しない雑誌を手に取ってこういう文章に出会えると有り難い気分になる。


細田守監督『サマーウォーズ』を観る。夏の日の冒険活劇。こういうモチーフってそれだけで胸が熱くなる。ネット上での混乱が世界滅亡の危機に発展するという設定なのだけど、それを90歳のおばあさんが防ごうとする中盤のクライマックス。黒電話にメモ帳で世界を救おうとする設定が「うまい」と思うし、「こういう時に大事なのは人と人とのつながりだ」という台詞には素直にぐっとくる。で、物語のクライマックスでは、ネット上で世界の人同士がつながり、大団円へと向かうのだけど、結構そういう世界の人が団結してって流れは今までもやられている(元気玉とかそういうアレ)のだけど、ネット上でつながるってのが良いのでは。いや、その、決してネット至上主義ってわけではなく。というのも、ここで描かれる世界危機に現実味が感じられない人がいるとしたらそれもそれで理解出来るのは、この映画の前提として世界がネット上で管理されているというものがあり、でもネットとは無縁に生きている人がこの世の中にはたくさんいて、そういう人たちはどうなってるのってこともあるわけで。ただ、まぁ、そういったことはひとまず置いといて、ネットってやっぱりすごく魅力的なツールだと思うのです。自分を取り巻く世界って自分の手の届く範囲しかないんだけど、ネットがそれを少しだけでも拡げる可能性があるのならば、それを使わなきゃ損だと思うし。
でも、あれだ、世界的な危機状況ながら、せいぜい表にでてくるのは消防や救急の人たちだけで、政府筋の人たちはまったく見えてこない。基本的には一個人(一家族)が世界を救うのだけど、これもいわゆる『セカイ系』の一つの形とみれるのか。設定を複雑にすると、あのストーリーの疾走感はでなくなってしまうのだろうし。
美術監督武重洋二さんの世界観も良い按配で、あと、貞本義行さんの原案によるキャラクター描写は、あれはあれですね、なんというか線の細いあのアレ。良い具合にディフォルメにも適しているようだし、シリアスにも馴染む。好む好まざるで言えば嫌いな人はいないタッチなんだろうか。そういうタッチの都合の良さとして、リアルさを緩和出来るってのもあるのかも。90歳前後のおばあちゃんは、とてもそんなに歳をとっているようには見えなく、そのおばあちゃんが笑う場面で前歯がないことが判るのだけど、あれ、別のタッチによってはリアルになりすぎてちょっといかんことになる場合もあるだろうし。
いずれにしても、ある方向のアニメに抵抗を感じる方には受け入れられづらいのかもしれないけれど、素直に面白かったす。


『ナンバ』という料理があります。多分、名前は通称。正式名称はわかりません。唐辛子と赤ピーマンと生なめこを細かく刻んで油で炒める料理。これがですね、とてつもなく辛くとてつもなくうまい。ご飯にのせるだけでご飯が何杯でもいける。インスタントラーメンにいれることで味わいが変わる。嫁松が唐辛子で手をピリピリさせつつ出来上がったこれにより、無駄に何杯もご飯を食べて腹を苦しくする昨今。

『ナンバ』とそれ越しの猫みぞれ。