東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『春先の雨、ナウ』

tokyomoon2010-03-07

ずいぶんと時間が空く。仕事が忙しかったということもあるけれど、自宅でPCを開く割合が減ったということもある。先日、犬が起きてるうちにPCをいじっていたらLAN回線を食いちぎられた。とにかくなんでも噛む。ひとまず犬は噛むのだと身を持って実感している。

日々雑記。

3月1日。嫁松と西武デパートの地下の喫茶コーナーにいたとき、横に座った親子連れの、母と娘さんが注文を終えてから歌をうたいだした。それをぼんやりと聞いていたら、嫁松が「さんしょうだよね?」と言って来た。唐突に何を言い出すのかと思ったのだけど、どうやら隣の親子連れの唄う歌の歌詞のことだと判った。
それは『おべんとうばこのうた』という歌で、親子連れの唄では「さくらんぼさん」という歌詞があるのだけど、そこが「さんしょうさん」ではないかという。「おべんとうばこのうた」という歌自体は確かに覚えていたのだけど、歌詞がどうだったかは正確に覚えていなかった。
嫁松がネット上で歌詞を検索したところ、元の歌詞ではやはり「さんしょうさん」が正しいようで、さらに調べるとどうやら今の子供たちに合わせて歌詞を若干変更しているケースもあるのだとか。確かにおべんとうばこに詰めるアレコレが元歌は極めて地味というか、渋すぎる。
それはともかく、この歌、かつてよく耳にしたことがあるAメロというかサビ部分の他にも歌詞があり、その歌詞がちょっと興味深い。というかおべんとうと離れている節がある。例えば以下の歌詞は最後こそ強引におべんとうに話をもどしているけれど、唐突なほどいきなり象と蟻がでてくる。

ぞうさんのせなかに ありがおっこちた
山だとおもってたびをした
はなのさきまで あるいたが
もとのやまにもどってた
それで おひる

しかしなんだか好きな歌詞。



3月2日。ゆえあって仕事の後に家常さんの事務所に顔を出す。事務所設立時の引っ越しの際に顔を出して以来だけど、すっかり事務所の感じがでていた。どうやら新しく働く人を雇うことになるらしく、面接の様なことをしており、家常さんから「芝居をやっている人です」と僕を紹介したので、僕も家常さんのことををうっかり「芝居をやってる人です」と嘘の紹介をしてしまう。さらに谷川さんも「芝居をやっている人です」と紹介。すると谷川さんは「僕はもう、腰がだめだから芝居はやってなくて」と言い、その時はなんとなくそのまま会話が流れてしまったのだけど、あとから思い出すと「腰かよ」と面白く1人で笑ってしまった。

3月3日。ひなまつり。けだまを看取ってくれたT夫妻からお手製のちらし寿司を頂く。僕は仕事で家にいなかったのだけど、嫁松の話ではわざわざ家まで届けに来てくれたのだという。犬がいたことにT夫妻は驚いたとか。それはそうだろう。具材が豊富な散らし寿司で、とても美味しかった。



3月6日。久しぶりに演劇学校時代の友人が香川からやってくるということになり、集まれる人たちで飲むことに。先日、といっても9月に演劇学校時代からの友人のY君の結婚祝いで何人かの友人たちには会ったけど、みんなでまとまって飲むのはずいぶんと久しぶり。そもそも演劇学校に通っていたのが10年前になるので、そう考えるとちょっと驚くほど時間が経っている。思い出話や互いの近況、くだらない話などで楽しい時間を過ごす。僕はやっていないのでよく判らないのだけど、「ついったー」用語で、文面に『now』もしくは『ナウ』をつけるということがあるらしく、なにか話題にのぼるとすぐにそれをつけて話すのが面白かった。「婚カツ、ナウ」とか。久しぶりにたくさん笑った夜。



いろいろなことを見過ごしてしまっている日々。
地点やマレビトの会の公演はすでに終っていた。マレビトの会の公演に関しては、芝居の当日の夜に「あ」と思い出した始末。恵比寿ではタルコフスキーの特集上映がやっているじゃないか。『サクリファイス』や『鏡』を改めて観たい。ペドロ・アルモドヴァルの新作も観てない。そして、今はチェルフィッチュの公演が横浜でかかっている。観たいが遠い。いや、決して横浜が遠いわけではなく、なんというか精神的に遠い。



T夫妻からちらし寿司を頂いたお礼にお菓子を買ってご自宅に伺う。犬や猫を連れて来てなかったことをT夫妻は残念がっていた。T夫妻はうちの動物たちに夢中である。


まだなんだか気温も低く、肌寒い日々が続く。雨の日も続く変な季節といえば変な季節。