東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『雷雨が去って涼しい夜』

tokyomoon2014-07-20

なんだかんだと過ぎていく日々。三連休も半ばなのだけど、休みではないので実感なし。18日から地元では祭りがあったのだけど行けぬまま終わってしまった。正確に言えば、今日は祭りには間に合う時間に仕事が終わったのだけど、雑司ヶ谷の駅に着いた時には落雷を伴う大雨だった。ぼんやりと駅で雨が止むのを待つ。

4〜5歳くらいの男の子が母親と、僕と同じように地下鉄の入り口で雨宿りをしていたけれど、遊びたいのか雨の中外へ出て行っては、「濡れるよ」と母親に注意され、戻って来て、でもまだ後ろ髪をひかれるように外へでたりする。雲の流れが速い。雷が鳴る。これは愉しいよなぁ、絶対に子供はドキドキする。そして僕だってドキドキする。


昨日は仕事で事務所作業をした後に、横浜の方へ向かって少し芝居の練習を見学するという機会があった。芝居というか、俳優の演技基礎を学ぶレッスンか。そういうものをきちんと見るのは初めてかもしれない。いろいろ考えながら見る。基礎としてのストレッチや筋肉トレーニング、そして発声や、あと、なんというか感情についてのトレーニング。大切にしていたものを失いそれを探すという状況で、不安、苛立ち、焦り、恐怖のような感情を持ちそれを自分の中で次第に高めていくと、その失っていたものが見つかった時、安堵の気持ちが溢れ出してくる。それが抑制できないほど溢れると涙が止まらなくなる。そういったことによって感情について説明するレッスン。なるほどと思う。それで人は涙もするし、自分なりの気持ちのうねりは実感できる。だけどそれはまだ片輪だ。想像力を持つ。そしてそれを表現にまで昇華すること。実際にその一連を、また演技として再現しようとするとそれは極めて難しいことになる。レッスンを見ながら、果たして参加している若い役者志望の子たちがどれほどこのことをきちんと理解し、考えているのだろうかと思う。例えば彼らの身体の硬さ。おそらくストレッチなどはレッスン以外ではやっていないのだろう。身体がやわらかければいいってもんではないけれど、単に何もしてない身体は、申し訳ないけれどいびつだからこそ持つ魅力も無い。いずれにしても僕にとっては勉強になった時間。で、そういうことに参加していたら20時を過ぎており、そこから急いで帰っても祭りには間に合わず、近所に住む家常さんたちが祭りの後に飲んでいたようで誘われていたのだけどそれにも行けず、なんとも疲れて、そのまま眠ってしまった。

今日はそんな気分を引きずったけど、仕事でいろいろと頑張っている人を見たり、喜んでいる人の姿を見ていると、自分も少し右上がりになった。


2本、映画をDVDで観た。ホセ・ルイス・ゲリン監督『シルビアのいる街で』。映画公開時に観ようと思ったけれど観に行けずだった。やっとDVDで観た。とても良かった。ストーリーはいたってシンプルだし、場面としても数えるほどしかないのだけど、1シーン1シーンが本当に刺激を受ける。絶対に映画館で観るべき作品だった。きっと大きなスクリーンで、音も含めて体感すると本当に素晴らしい作品だろうと思えた。後悔先に立たず。そしてもう一つは自主映画作品に近い作品。詳しく記載することは控えるのだけど、完尺60分の作品でこれもまた面白かった。映像に対する向き合い方というのだろうか、映像の力を信じているのだなぁと思うから、きっと説明も入れず、ありのままを見せる。それがすごいなぁと思う。そして遊びがある。好きだなぁ。60分本当に愉しく見れた。


まだまだいろいろなことが刺激を与えてくれる。この日記を書きながら、BSで放送しているバンドくるりの公開レコーディング的な番組を見ている。フルカワミキさんがコーラスで入った『バラの花』や、森信行さんがゲスト参加した『東京』などを聞けて、それもまた刺激だなぁと思う。


今は雨が止んで、涼しい風が吹く。やっと梅雨明けするのだろうか。