東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『初めての海外』

tokyomoon2015-10-05

10月の頭から昨日まで、仕事で海外に行っていた。36年生きてきて初めての海外。このまま行く機会もないかなぁと思っていたところにこういう機会を得ると、人生何があるのかわからないと改めて思う。


パスポートを取ったのは数ヶ月前で、その時はまだ「行く可能性がある」というだけだった。実際に行くことになっても目の前の仕事にバタバタして緊張する余裕もなかったけれど、やっと前日の夜になり、荷物の準備をしているところで「大丈夫なのか俺は」と不安がでてきた。直前に海外経験者の方々からレンタルWi-Fiは必要だ、とか、国ごとに電源が違うから対応しているアダプタを買っておかねばならない、といった必需品と思われる品々のアドバイスをもらいあわあわとし、当日は朝9時代に羽田空港を出発する便だったので、『国際線は1時間半前には出国審査しておいてください』といった指示があったし、待ち合わせが早朝だったりと、万が一の寝坊を避けるべく、かつ緊張もあり、久しぶりに眠ることもできず出発の朝を迎えた。




羽田に着いて、搭乗手続きから出国審査と想像を超えてあっという間に終わり、出発の1時間前には余裕でゲート前にいることができた。何かもっととてつもない難関があると思っていたけれどそういうことがなかったので拍子抜けしたところもある。飛行時間は2時間ほどで、新作に近い映画を観ることができるという個人的にはかなりオイシイことになっており、ちょうど観ることができた『ジェラシックワールド』を観る。観終わると飛行機が到着するという絶妙なタイミングだった。


その国での入国審査は少し待たされたけれど、自分のところではアッサリと通った。これもまた拍子抜けだったけれど、なんにせよトラブルがないことがありがたい。


外へ出ると雨が降っていた。目の前に見える看板は全てその国の言葉だし、走っている車は左ハンドル、右側走行と、日本とは異なる。空港から目的地のホテルまで送迎をしてくれる車で走る。外の風景は、山やビル、橋や田畑など日本でも見ることができるものだけど、何かどこか違う。家々の作りなど。ホテルに着いて、荷物を降ろしてから少しばかり町を歩く。海外といえども日本にも近い国だからか、似通っている部分は多く、例えばスターバックスセブンイレブンなんかが普通にある。そういう似ている部分を見つけることが楽しい。その日は町をウロウロしながら無難な料理屋で昼食をとる。その後、また少し街を歩くけど雨と風が強くなりホテルへ。翌日は仕事の予定だったけどどうなるのかと思いつつ。少し買い物をと思い、ホテルの横にあったセブンイレブンに行く。当然だけど、そこに並ぶのはその国の製品ばかり。ソフトドリンクやアルコールで、多少見慣れたメーカーのものを目にする。よく分からないビールを購入店員の対応がものすごく悪かった。ずっとテレビを見ており、お金の支払いもテーブルに投げるように放ってくる。なんとも嫌な感じだった。さすがに夜は眠く、ビールを飲んだらあっという間に寝てしまった。




翌朝。快晴。そして仕事。ここは詳細は割愛。ホテルから少し離れた焼肉屋で夕御飯を食べる。少し歩く場所にあったのでタクシーに乗るが、初乗りが日本円で言うところの300円代。安い。目的の焼肉屋へ行くのに、ホテルから持ってきた観光マップを運転手さんに見せる。ご年配の方で英語も通じず当然日本語も通じない。どうやら有名なお店のようで、何か韓国語で教えてくれたけどよくわからなかった。焼肉屋でお肉を頼むと、付け添えでキムチなど副菜がこれでもかとばかりに出てくる。お腹いっぱいになる。帰りは腹ごなしもあり、タクシーを使わずに歩いて帰る。街は賑やかで、やたらと食堂がある。それと道路事情としては路上駐車がめちゃくちゃ多い。


3日目。地下鉄に乗ってソウルや明洞へ。地下鉄はお金を入れるとカード型の切符が出てくる。テレホンカードのような薄い形状。保証代金も支払い、目的地までたどり着くとそこにある回収ボックスに入れると保証代金が戻ってくる仕組み。国によっていろいろ異なる。明洞は賑やかな街だった。買い物に興味があるわけではないのでほどほどで去る。地下鉄は数字で路線が割り振られており初めて使う僕でもなんとか乗り降りできた。




4日目。午前中に少しばかり時間があったので、近場を1人で散策。少しばかり歩くと世界遺産になっている観光名所があり、その付近も歩いて見たけれどそれは観光名所の楽しさだけしかなく、一歩路地に入った道を歩いている方が、そこに暮らす人たちの生活を垣間見ることができて面白い。リアカーを引く年老いた老婆や、川沿いの露天の店先でくつろぐ男性。何か企み事をしているような子供達。野良猫。日本では久しく見ない野良犬も。日本でも見ることができる風景のようにも思えるし、まったく見ることができない風景のようにも思える。この国に来て、食事にせよ慣習にせよなんだか日本との差異ばかりを追っていた気もするけれど、そんなことは関係ないよとばかりに人々の生活は普通にあって、それぞれの時間が過ぎていく。



帰りの飛行機がなんの説明もないまま、1時間遅延し、最後の最後でなんだか海外旅行の洗礼を浴びた気になる。帰りの飛行機では『トゥモローランド』を観たのだけど、1時間40分のフライトで羽田に着いたため、クライマックスでお預けを喰らう。ずいぶんと遅い時間に東京に戻ってきた。時差もなかったたし、それほど移動に時間がかからなかったので、なんだかずいぶんと遠くへ行った実感も残らぬまま帰宅。


とはいえ、貴重な機会だった。