東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『バタバタと日々が過ぎ』

tokyomoon2015-10-16

仕事がいろいろ慌ただしい時期でせわしなく、娘の運動会に行けず残念だった。嫁さんもいろいろと運営準備をしており大変だったようで、娘の運動会の写真は幼稚園の友達の保護者さんが気を利かせて撮ってくれたとのこと。ありがたいお話。


ETV特集で、2つの作品を観た。
『更地と風とカレーライス』
むのたけじ 100歳の不屈』

『更地と風とカレーライス』は宮城県名取市閖上地区の復興に関するドキュメンタリー。先日、出張で行った際に目にした風景が映っていてそれだけでも気になる作品だった。実際にその場に行き、復興に向けた動きがあまり進んでない印象を受けていたのだけど、それは町を二分する意見の対立が要因の1つであると教えてくれた。つまり、あらたに同じ場所に町を再建するか、津波の可能性の少ない内陸に町を移転するか。ずっとその町に暮らしてきた人々にとって町で暮らすことはかけがえのないものであることに違いないけれど、復興するために、今、残っている倒壊した家屋の土台、中学校などもう使用できないけど、取り壊さず残っている建物を取り除き、あらたな区画で町が蘇ることは、かつての面影を全て消失させてることになる。中学生の息子さんを亡くされた母親や、その町で再び暮らすためにテントを張りお茶や食べ物を提供する喫茶のようなものをやっているおばあちゃんの複雑な心境がカメラから伺える。

「生まれ変わるためには1度死ななければならない。閖上津波で1度死んで、復興でもう1度死ぬ」
という言葉の重み。


もう一本はジャーナリストむのたけじさんの人生を紹介するドキュメンタリー。現在も100歳を越えるお年なのに、いろいろな講演活動を積極的に行っていらっしゃる。かつて、戦争へ向かう日本の新聞を中心とした報道機関のあり方に疑問を感じ、郷里の秋田で独自の新聞を発行し続けたむのたけじさんの真摯な生き方。

それにしても、徐々に自主規制のように自由な発言が禁じられていき、一握りの権力者たちが実権を握っていく流れは、最近の政治動向とあまりにも似ていて不気味。むのさんが、戦後70年、おそらくこれ以降は戦争を経験した世代から、経験しなかった世代に直接的に何かを伝えることはできない、という点で、これからの時代は大きな方向転換を迎えるだろうと言いつつ、今の若者たちを中心とした動きに希望を見出しているとも語ってくれている。


それにしてもむのたけじさんの面白さよ。ユーモアがあるというか。東条英機さんに直接会うために、東条英機は入れ歯を作ることに失敗してしゃべり方が上手くない、という記事を書き、予想通り東条英機に呼び出されたものの、「怒られただけで終わっちゃった」と笑いながら語る。そりゃあ怒られるだろう。だけどそういう戦略のしたたかさ。反骨精神が素直にかっこいい。そしてメディアがなんとなく情報の発信に消極的な傾向を感じる中で、こういう作品を作る人たちがいることにも心強さを感じる。


そんなことをまとめている間にまた数日経過し、いろいろ本当にあっという間に過ぎていく。仕事関連のアレで娘に貴重な機会があったのだけどそれもずいぶんと前の話のように思えてくる。


あと、猫3匹がニャァニャァと賑やかである?そして風邪を引いたらしく、体調があまり良くない。これではまずいと汗をかくべく厚着をひて布団にくるまるもののなぜかあまり汗をかけない。そんなわけで久しぶりのマスク生活。


日々慌ただしい中、気づけば10月も半ば。