東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『大阪で徘徊する』

tokyomoon2016-12-13

仕事で少し大阪に行っていた。新幹線で移動。窓際の席じゃなかったのと、パソコン作業をしていたので外を見る余裕がなかった。電話をかけに少しだけ席を立ったとき、扉のところで窓の外を眺めると、少し長閑な田畑や工場地帯の風景が見える。


通り過ぎてしまうそういう風景の中に、出会うこともないような一人一人の生活があるのだなぁと思う。


大阪に着くと地面が濡れていた。雨が降っていたらしい。移動した日は少しだけ余裕があったので、少し買い物をして、喫茶店でコーヒーを飲む。今村夏子さんの小説「あひる」を読む。一息で読める柔らかいタッチの文章なのに、人の欲望の深さとかを見せられるような。


それから夜に、大阪在住のYしゃんと久しぶりに会う。白髪が増えていた。仕事のことをいろいろと聞く。怒ったような物言いが昔と変わってなくてYしゃんぽいなぁと思う。帰り際、Yしゃんから「今日はなんか愚痴しか言わんかったから、明日もう一回会おう!明日はお前の話聞くわ」と言われ、そういうことを気にしてるのもなんだか「らしい」と思った。


翌日、仕事を終えて改めてYしゃんと会いいろいろと話す。夕食を食べてから場所を移動しようと歩く。大阪の梅田あたりは地下道がものすごくちゃんとしていて、駅通しも地下でつながって歩けるし、商店街のようなお店が並んでいる場所もたくさんある。驚いたのはそういう地下にコンビニや居酒屋、さらにパチンコ屋もあるということ。


茶店を探してウロウロした。夜も遅かったので見つからない。無計画に夜の大阪を徘徊しているようで面白かった。そんな中でYしゃんがなんとなく切り出した話。それまで喧嘩などしたこともなかって友人が、なぜか突然連絡が取れなくなり、音信不通になってしまった。こちらにはその理由もわからない。なぜ、そうなってしまったのか。きっと相手にも何かしら理由があるのかもしれない。僕にもそういう人はいる。関係性が変わってしまったのだといえばそれまでなのかもしれないけれど、それはそれで寂しい気もする。


年に一回、もしくはもっと少ない頻度でも、会えば「よう、久しぶり」という感じで近況を話せて、「じゃ、また」と別れることができる関係性が楽しいなぁと思う。


帰りは終電間際の新幹線だった。車窓からの風景は外灯しか見えない。3時間ばかりで移動できる便利さは有難いけれど、それでもやはり移動は疲れるし、遠くにきたなぁと思う。