東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

集団でモノを作るということ

週末、個人的な事情でひどく苛立っていた。
思いも寄らない事態に巻き込まれて、それの処理に時間を費やした。でもそれは早急に解決しなければならないものだったので、出来る限りのことをした。

苛立った理由はそれだけではなく、もう一つは展覧会の準備でのことだ。12日(日)に展覧会に準備のための搬入などをすることは、かなり前から決まっていたので、稽古の時間を取らずに空けておいた。僕はリーディングだけの参加なので何も展示はしない予定だったのだけれども、少しスペースが空いてしまうということから、じゃあ何か貼ろうということになり、リーディングにも繋がる展示品を用意することにした。あと、リーディングしかやらないから展示の準備はでませんともいかないし。上記した個人的なバタバタで、集合時間だった昼の12時に間に合えず、その旨をメンバーのIさんに伝えて、遅ればせながら12時45分ころに駆けつけた。ギャラリーにはギャラリーの管理者のYさんしかいなかった。他のメンバーは遅れてくるとのことらしい。全員遅刻なのだ。なんだこれ。で、その後はもう口にするのも苛立つから嫌になるような効率の悪さだった。

それぞれに作品に懸命になるのは構わないけど、それはあくまで個人でやってほしい。なんのためにわざわざ集まったのか分からない。この前みたいな集まり方なら、とりあえず日曜日に自分の作品を持ってくるとだけ決めればいい。結局全員が集まってする作業など、ほとんど無く、作品がほとんどない僕は3時間以上何も出来ないで呆然としていた。

こういう集団を作って何か一つのことをすることに、なんとなく疑問を持っていたけれども、やはり駄目だ。少なくとも僕は駄目だった。何の目的でこの人達が、高い金をかけてギャラリーを借りて、忙しい時間を割いているのか分からなくなった。イベントを企画してやるだけならば、それでもいい。だけどはっきりいって道楽でやるなら、僕は参加しない。そういうやり方が悪いとは思わないけれども、僕はそこには加わりたくない。だったら個人に立ち返ってでも、自分の道を行く。自分の作品を徹底的に作ることなんて当然だ。なんのために時間を費やしている。この展覧会には意思が希薄だ。「やりました」という一方的な方向性しか感じられない。ラジオにしても、大学祭にしても、芝居にしても今までやってきたことで、徹底的に他者、それはリスナーであり、お客さんを意識して作ってきた。その上で自分の面白いところを追求してきた。プロ野球選手みたいにお金はもらってなくても、プレーをするときは観客席にいる人を意識しながら、楽しく野球をするようなものだ。だけどこのメンバーにはその感じが薄い。ちょっと、ちゃんとした球場をかりて、野球をやることで、「なんか雰囲気でたね」という感じになっている気がする。もちろんそれだって構わない。でも僕はそこにはいる気はない。

とりあえず、今回こうやって場所を提供してもらえたわけだから、誠心誠意、この展覧会を成功させるように尽くす。だけど、この先は分からない。

金曜日にギャラリーで稽古をして、役者さんに感覚をつかんでもらった。次にギャラリーでやれるのはもう本番前日の夜だ。土曜、そして月曜はさらに何度も読みを繰り返した。動きもつけて、今まで区切って読んでいたところを少しづつ繋げて読んでみる。声のバランスが少しづつ合ってくる。でもまだリズム感が悪い。うまくリズムをはずす事も含めて、リズムがまだうまく作れない。あと、まだ読んでいる最中に言葉が詰まる時がある。繰り返し読む。体が、言葉に、台詞に馴染んでくれるまで何度も読む。

クライマックスでもある女役のFさんがほぼ5分以上を一人でしゃべる場がある。そこを読むFさんは大変そうだ。焦って早く読んでしまうと雰囲気が壊れる。かといってゆっくり過ぎても同じ。5分以上をテンションを維持して読み続けてもらわなければならない。

役者4人にまだまだ課題がある。それを消化してもらうしかない。自分の演出がうまく伝えられない。身振り手振りになってしまうけど、それがきちんと役者に伝わらない。そういうことがきちんとできねば演出はできない。難しい。悩む日々だ。