東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

芝居本番〜それから先のこと

というわけで公演は19日に終わった。昨日、展覧会も終わった。そして今日、公演のために借りた椅子をダスキン日本橋店に返して、すべてが終わった。気が抜けてしまい、今日は会社を休んでしまった。風邪だとか言えばよかったかもしれないけれど、「用事が・・」とだけ曖昧に濁して言うだけだった。あれは会社の人も変に思ったかもしれない。と、いうわけで少し振り返ってみる。

17日(金)
午前11時から下高井戸区民集会所で稽古。最寄駅の京王線桜上水駅から歩くと、道に迷った。汗だくになりながらたどり着くとまだ誰も来ていなかった。それから10分ほど経ってからFさんから電話。「HさんとMくんと迷ってます」とのこと。外に出ると、同じく汗だくの3人を発見。どうやら僕が事前に渡した地図が不正確だったようで、申し訳ないことをした。とするともう一人のKくんも・・・と思っていると案の定電話がきた。「迷子です」。無事に4人が集合してから、部分的に稽古。気になっていた個所を直してから、一度通す。ここで小道具や動きの確認。結局そのときには1時間35分かかっていた。でももう時間は関係ない。濃密な1時間35分なら問題はないのだ。午後5時に銀座へ移動。ギャラリーについたら、役者には軽く飯を食ってもらい、本番と同じように通す、所謂ゲネプロを行う。このときに展覧会のメンバーのIさん、TさんとギャラリーのYさんとその友達が見た。僕は音響と照明をやるのであまり本番の役者の動きは見れないから、観客の反応を見ていたら、けっこう反応は良かった。終わった後も、見てくれた人たちは誉めてくれたし、役者の人たちも一度本番同様にできたので落ち着いたはず。持ち物を確認して解散。銀座は週末で賑わっていた。

18日(土)
午前11時から阿佐ヶ谷で稽古。会場は展覧会があるので、使えないから本番の日も別の場所で稽古。昨日の通しで気になったところを役者それぞれに言う。それぞれ1個所だけ集中して直してもらう。そして抜きで稽古。昼に少し休憩を入れたとはいえ、午後4時半まで稽古。本番前に疲れるのは嫌かもしれないけれど、それでも稽古。少しでも向上させるために。それから銀座へ。銀座に着いたころにはすっかり日が落ちていた。この週末、暑さがぶり返してきて少しジメっとするものの、それでも日はもう夏ほど長くはないのだ。ギャラリーにはまだ人がいた。以前の話し合いで6時には会場準備をしてもらうはずだったのに、みんなお客さんと話をしていた。確かに展覧会を見に来てくれたお客さんも大事だ。だけど7時開演が決まってる中で、どっちを優先するべきかくらい考えてほしい。結局我慢できず展覧会場で僕がお客さんに帰るように促した。お客さんは一瞬驚いた表情をしていたけど、気にしている場合じゃない。会場準備ができなきゃ芝居はできないのだ。それになにより、開演まで1時間を切っている中で一番しんどいのは役者なのだ。役者が気持ちよく芝居できるためにはなんだってしなくてはいけない。案の定開場時間が押してしまった。ひどく腹が立ったがそうも言ってられない。そうして本番が始まる。昨日とは違いお客さんの数も少しは多い。役者も少し緊張しているみたいだけれども、昨日一回でも通せたのはやはり有難かった。芝居は無事終了。その後は気持ちよく初日打ち上げに。展覧会のリーダーMさんやTさんを交えて飲む。概ね好評でよかった。

19日(日)
この日はもう現地集合。11時にギャラリーに集まってもらって少しだけ抜きで稽古。クライマックスであるFさんの5分を超えるモノローグで、この芝居で唯一音楽を流すのだけれども、そこの台詞と音楽のバランスを確認。昼の芝居はなんとなくお客さんの反応が良くないというのが、僕が大学のころから芝居をやっているときのジンクスだ。とはいうものの、これが最後。ここまで付き合ってくれた役者達に、思いっきりやってくださいと声をかけて開場した。芝居自体は昨日の方がよかった。やはり本番前に一通りおさらいする時間が無かっただけにちょっとしたミスが目立った。仕方ないと思うものの、少し残念ではある。それでも公演は無事終了した。この日は1回だけの公演なので昼の4時にはすっかり片付けができてしまい、5時から打ち上げをした。ギャラリーの近くに沖縄料理のお店があり、役者4人とそこへ行く。ミミガーやチャンプルーを食べながら飲んだ。夜7時を回ると展覧会のメンバーやギャラリーのYさんも交えて2次会。役者と展覧会のメンバーはほとんど接点がなかったけれども、それでも打ち解けて楽しく飲めた。そうして打ち上げは終わる。役者達一人一人と最後に挨拶。短い3週間のチームは解散。それぞれに自分の劇団や知り合いの元へ戻っていく。5分以上のモノローグをとても綺麗に読んでくれた、Fさん。いつも明るくて、展覧会のメンバーともすぐに打ち解けた、声がでかいHさん。とってもまじめで、いい声のKくん。すごい忙しい中で参加してくれたMくん。みんなに感謝だ。そのほかにも稽古場を確保してくれたFさんやKさん、毎度おなじみA管理人にもお世話になった。展覧会のメンバーも当日はスッタフを引き受けてくれたし、いろいろな人に支えられて一つの芝居ができた。本当に有難い気持ちでいっぱいだった。素敵な夜だった。

20日(月)
さすがに起きたのは12時過ぎ。それから展覧会場へ。借りていた音響機材を宅急便で返却。その後はギャラリー閉館時間の夜7時まで何もないので、少し銀座を歩く。京都出身のKさんが前に銀座は京都に似ていて落ち着くと言っていた。銀座は碁盤の目の町並みだ。東京では中央区千代田区がそんな感じであるが、渋谷や新宿はそうではない。将軍さまのお膝元がきちんと整備されているのだ。高いビルがある。高級車が走っている。外国の人も多い。人も多い。通り過ぎていく人の大半が、昨日この付近で一つの芝居が行われたことなど知る由もない。僕がしたことはこの世の中の動きからしたら、極々小さいことだ。それでもそこに賭した。芝居が終わり、展覧会が終わり、また一人になった。次が始まる。

次はどこへ行こうか。