東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『池袋の風景』

■ 友人が教えてくれたのだけど、モンゴルの夜は星が多すぎて明るいらしい。大学の頃、北海道にいたとき、やはり空は星がいっぱいだったけど、それ以上の星が見えるのだろうか。想像もつかない。


■ 17日(木)。鶴見に住んでいる友人Hくんの家で飲む。Hくんはギターを弾けるので、いろいろいっぱい弾いてもらった。Hくんはハナレグミのベストアルバムを持っていた。そのアルバムは2枚組みで1枚はDVDになっていてクリップが見れる。『家族の風景』という曲のクリップに使われている写真はとてもいい感じだった。そのDVDを見ながら、友人が『家族の風景』をギターで弾いてくれて、二人で声を出して歌ったりした。


■ Hくんがテレビ神奈川で放送している「SAKUSAKU」という番組があることを教えてくれた。木村カエラが司会をやっている音楽番組だそうで、神奈川ではとても人気のある番組なのだという。地方局制作のテレビ番組で面白いのがあるのはいくつか知っているのだけど、まさか関東圏で話題になっている番組があるとは思わなかった。知らないもんだな、同じ関東圏にいても。


■ Hくんはその番組のDVDを持っていて、それを見せてくれた。ゆるい番組で面白かった。番組の中で作った町田をテーマにした曲があるのだけど、面白くて声出して笑った。


■ 18日(金)。2日酔いのままHくんは仕事へ向かった。僕は稽古場の申請のために荻窪へ。隣駅の阿佐ヶ谷はよく行くのだけど、一駅違うだけでずいぶん雰囲気が違うように思った。駅前にある古本屋に立ち寄った。面白そうな本がいっぱいあったけど、家には買ってから手をつけてないで置きっぱなしの本がいっぱいあるのでここはぐっとこらえて買わないでおいた。中華そば屋で昼飯を食べた。チャーハンがすごくうまかった。


■ それから池袋へ。またもや稽古場確保。それから散歩。南池袋から雑司が谷の方へ歩く。都電荒川線の線路を通り過ぎると雑司が谷霊園が見えてくる。池袋の中心地からわずか15分程度でこれほど静かな場所になるとは。木々は赤や黄色に色づいている。落ち葉を掃く人がいる。鳥が飛んでいる。世間話をしているおばちゃんがいる。静かな午後。ふと遠くを見るとサンシャインのビル。目前の霊園、遠方のビル。時間を飛び越えているようなギャップ。確か青山霊園からは六本木ヒルズが見えた。霊園とビル。おかしな組み合わせのようにも見えるけど、その風景もまた東京なのだなぁとか思う。


■ よくよく見ると池袋は寺や神社が多い。かつてはそういうものが集まった場所だったのだろうか。そうなってくると池袋という名称の由来が気になってくる。はたまた豊島とはどういう意味なのだろう。雑司が谷霊園から大鳥神社、そして鬼子母神へ。鬼子母神の境内にある大公孫樹の前で呆然としてしまった。大きい。樹齢600年以上だという。単純に計算しても1400年代からあるわけだ。室町、江戸、明治、大正、昭和。一体どれだけの人がこの大公孫樹を見上げたのだろうか。驚くことにこの公孫樹は今も成長を続けているのだという。途方もない。


■ 夜勤の今、池袋の名前の由来が気になってネットを検索。池袋に関する面白いサイトを発見。東上線の名前の由来や地下鉄の話も興味深いけど、それ以上に気になるのは「さざれ石」だ。サンシャインシティがかつて巣鴨プリズンの跡地にできたものだったとは。巣鴨プリズンの跡地にあるサンシャインのビルの上にさざれ石が置かれているというこの流れの中に、きっと近代日本人の根底にある何かがあるように思える。


■ 池袋をちょっと歩いただけなのに、なにやら何百年もの時間を一気に通り抜けたような気になった。