東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

埼京生活『ライブ』

保坂和志さんの『プレーンソング』(中公文庫)を読んだ。


『そうしてね、全然ね、映画とか小説とかでわかりやすくっていうか、だからドラマチックにしちゃってるような話と、全然違う話の中で生きてるっていうか、生きてるっていうのも大げさだから『いる』っていうのがわかってくれればいいって』


これはいつもビデオカメラを回しているゴンタという青年がどういう映画を撮りたいかを語っている台詞。この小説はこの台詞に書かれている『いる』ということをきちんと描いた作品だと思った。そういう視線の向け方はオタール・イオセリアーニ監督の『月曜日に乾杯!』や小栗康平監督の『埋もれ木』にも感じた。物語の中で起こる出来事を、その『意味』を問うのではなく行為そのものとして見つめようとする視線とでもいえばいいのか。それで保坂和志さんのホームページをのぞいたら『プレーンソング』の創作ノートが読めた。続けて読むとこれも面白い。『カンバセイション・ピース』が文庫本になっていることを知った。これは買う。『猫遊録』というコーナーには猫の写真がいっぱいあった。歌人枡野浩一さんが自身のエッセイの中で書いていた飼い猫「さくらももこ」の写真もあった。猫はかわいい。


■ 8日(土)。六本木のEDGEというライブハウスにかげわたりのライブを観に行った。このライブハウスは今年の1月にかげわたりの面々とも一緒に『東京の果て』という芝居をやった場所なので僕にも思い出深い場所。かげわたりの演奏はよかった。『東京の果て』で演奏してくれた曲も何曲かやっていた。個人的にそういうところにいろいろと感慨めいたものを感じつつすごく愉しい時間を過ごした。ライブの後にいろいろ感想を求められたけどよかったから「よかった」としか言えなかった。もうちょっと実になるような感想を言えたらいいのだけど音楽のことはほんとに印象でしか答えられない。他の観に来ていた人たちが音のことやパフォーマンスについてきちんと感想を言っていて思わずすごいなぁと感心してしまった。まぁなんにしてもかげわたりはすごくかっこいいバンドです。


■ 六本木から終電で帰宅。無性にラーメンが食べたくなり近くのラーメン屋に寄った。お腹が減っていたのもあってがっついてしまったらラーメンで口の中を火傷してしまった。口の中が今も変な感じ。夜は風が吹いていてまだ寒い。