東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『スイカ割りと芝居いくつか』

■ 11日(土)。『空耳プラネタリウム』で記録写真を撮ってくれたおさむんが知り合いからスイカをもらったとのことで、スイカ割り祭りをしようということになった。正午に池袋に集まる。最初に5人ほど集まったのだけど、遅れてくる人たちもいたし、あまりにも暑いので、いきなり外で活動するのは避け、ひとまず『トランスフォーマー』を観ることに。すごいことになってる。どういう風に撮ったのだろうかと思う映像がわんさか。終わった後は、みんなで何か見れば「あれは、もうすぐトランスフォームするぜ」とか言い合い盛り上がった。


■ それから合流したメンバーと手分けしてスイカ祭りの買出し。申し訳ないことをしたなと思うのは集まってからずっとおさむんがスイカを持ち歩いていたことで、このスイカがかなりの重さであり、それを映画のときも買出しの時もずっと持たせてしまったのは悪かったなぁと思う。



写真は池袋の街をスイカを持って歩くおさむん。ほんとに重い。そしてこの隣には、スイカ割り用の竹刀を持ってきてくれたかげわたりの里崎くんがおり、なにやら重いモノを持つ男と、竹刀を背負う男が添って歩くという申し訳ないけど面白い絵図らが。


■ 飲み物や、花火、それに予備のスイカを購入し、総勢8名で荒川河川へ。JR北赤羽駅からなんとなく川沿いを歩く。なんとなくだけに道に迷ったり、予想外に歩いて、みんな汗だくに。それでやっと良い具合の場所を見つけた。



向こうには陸橋。電車がしばしば走る。川の向こうには埼玉県川口市のビル群。ずいぶん開けていて、風が吹くと気持ち良い。そこで酒宴開始。程よくなってからスイカ割りを行なう。かげわたりのベース宮嶋くんは、目を隠すだけでいいのに、なぜか顔全体をタオルで覆い、さながら謎のマスクマンに。



何をしているんだよ、とみんなで笑ってしまう。おさむんの持って来てくれたスイカは本当に大きくて、そして美味い。美味いけど、でかすぎて8人で食べても全然減らない。


■ 日も落ちて暗くなってから花火。



花火はほんとにきれいだよ。楽しくなって踊りだす。声を出す。谷川さんが持ってきてくれたジャンベを思うままに叩く。そしてまた声を出す。最高に楽しい瞬間。手持ち花火を振り回し、ロケット花火を打ち上げ、線香花火でしめる。たぶん、この先、どんなことがあっても、考え方なんかいろいろ変わっていっても、花火の美しさは、ずっと美しいなと思えるんだと思う。終電ギリギリまで河川敷にいた。川の流れる音、虫の音、ビルの明かり、少ししか見えなかったけど、空の星。愉快な仲間と酒と花火とスイカ。それから流れる人たちが僕の家に集まり、また酒宴。『空耳プラネタリウム』の時におさむんが撮ってくれた写真などをみつつ過ごす。素敵な写真が多くて、楽しかった。


■ 12日(日)。みんなそれぞれに家路へ。僕は昼から下北沢へ。ベターポーヅの最終公演『4人の美容師見習い』を観劇。1年間通っていた演劇学校で、ベターポーヅの主宰であり、作・演出を担当する西島さんにいろいろ教えてもらったことがあった。あれからずいぶん時が経った。あの当時、授業を担当してくれた劇作家の方は5名いたのだけど、そのうちの3名の方が所属していた劇団が、これでもう、いまはなくなってしまったことになる。あの頃とは東京の小劇場の環境がかなり変わっていると思う。今日、観た作品に関しては、そういう感慨もあり複雑な感じだけど、いづれにせよ、刺激を受けてきた劇団がなくなってしまうのは寂しいかぎり。


■ それから横浜へ。岸田國士さんの戯曲リーディングAプログラムを観る。演出家と役者が異なる2つの発表を見たのだけど、前半の芝居は、リーディングという枠組みの中で、極力固くなりすぎないようにいろいろずらそうと試みているのだけど、それが僕にはどうも馴染めなかった。で、後半の芝居。これも、また戯曲リーディングをずらそうとしているのだけど、こっちはリーディングという枠さえもずらす試みがなされていて、それがかなり効果的、というか、僕自身「あ、こういう演出の仕方があるのか」と今まで見たことがない発見が出来て、すごく刺激をうけた。今年一番のヒットだった。演出をされた方が、ああいう演出を、元々やっている方なのか判らないのだけど、多分、すでに存在している台本のリーディングという表現の場が、ああいう演出を可能にさせたということはあるのだろう。でないと、あそこまでリーディングを解体できないとは思う。解体って書いてしまったけど、軸はしっかり戯曲にあるから、その試みが成功していると僕は思うのだけど。ほんと、世の中には刺激を受ける作品を作る人たちがいるもんだと思った。満足しつつ、横浜から電車に揺られたのだけど、さすがに疲れたのか、久しぶりに電車酔い。それでも充実した週末だった。