東京から月まで

東京在住。猫と日常。日々のことなど。

『煙草の映画/不義理の編集』

用事があり、嫁氏と娘子が山形に行っている。娘子初めての新幹線移動は、その最中に娘子がダイをし、嫁氏が新幹線内の手洗い場にて、片手で娘子を支え、もう片方の手でおむつを処理し、鏡を見ながらおしりを拭くという巧みな技を駆使し難を逃れた以外は問題もなかったよう。紅葉がきれいな山形を満喫しているらしい。

その不在の隙に、観るべき芝居や映画を観てしまおうと思ったものの、8月に撮影して以来、遅々として進めていないKさんの芝居の記録映像の編集をこそ進めねばならぬということもあり、金曜の夜は一度家に戻ってから再び会社に戻った。というのも、自分のノートPCはかなり古く、HDV素材の編集をしようとするとことあるごとにフリーズしかけ一向に進まないからで、会社のバージョンの新しいPCで作業をしようと思ったから。
するとやはり会社のPCではフリーズすること無く作業ができる。そうすると、今までやってきた作業分に気になるところが出てきてまずはそこから直す作業・・・というようなことを金曜の夜0時からはじめ、明け方に3時間程仮眠を取り、それから作業をし、昼食をとり、作業をし、気が付けば土曜の0時をまわっていた。さすがにしんどくなり、そこで終了。これほどぶっとうしで編集をしたのは初めてで、マウスを持っていた右手が何か腱鞘炎のような感じになっていた。

日曜は午後からちょっと仕事があり、それが終わってから前の職場の同僚のS君と会う。その日、S君は、まさにKさんの芝居を観てきた後で、Kさんにこれから僕と会うと話したら、「DVD、楽しみにしてます」と言われたという。そりゃそうだろう。僕は最初、8月の終わりには一度見せると約束をしていたのに、11月になっても終わってないのだから。これはもう、本当に自分が情けない。
S君とは新宿で会おうということになっていたので、一度行ってみたかった『どん底』で飲むことに。曖昧な記憶で店を探したら予想よりも手こずり、S君と新宿三丁目の路地を何度もうろうろし、くじけて別の店に入ろうとしてやっと見つけた。

S君と映画の話しをするのは面白い。今回は『観終わった後に煙草を吸いたくなるような映画』について話したりした。先日、たまたまテレビで見た『コンスタンティン』という映画は、主演のキアヌ・リーブスがやたらと煙草を吸うのだけど、そのどのシーンも個人的には惹かれなかった。美味しくなさそうに吸う。イエジー・スコリモフスキの『アンナと過ごした4日間』は、その冒頭で主人公が煙草を吸うシーンがあるが、別に美味しくなさそうに吸うのだけど、このシーンの画と音が個人的には素晴らしく、映画館を出たら煙草を吸いたくなった。Sくんはスコセッシの『シャッターアイランド』を観て煙草を吸いたくなったと言っていた。煙草を吸いたくなる映画は良い映画だ、『シャッターアイランド』は観てないのだけど、きっと良い映画だろう。


それでS君と愉しく飲んでから、帰宅し、嫁氏から本日が誕生日だとメールで教えられた猫みぞれの頭をなでてあげてから、さらに編集を進めねばならぬと思い、風呂に入り、終電で再び職場にでかけたが、頭痛がひどくわずかしか手をつけずに眠ってしまった。無理はいかんという話か。しかし、なんとか近日中に編集を終えねばいろいろ申し訳ない。